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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

メタバースと美術(1976)

最近しばしば耳にするようになった言葉「メタバース」。「メタ」と宇宙を意味する「ユニバース」を合成した新語だということで、インターネット上の仮想空間のことです。ここでの「メタ」は、「メタ小説」(小説の中に書かれている小説)のような「宇宙の中の別宇宙(別空間)」といった意味で使われているのではないかと思います。

 

何か面白そうで、役に立ちそうですが、イメージがつかめず、まだまだよくわかりません。

現時点でわかる範囲で、「メタバース」を使って美術の分野で何ができるかを考えてみました。

 

まず、

・バーチャル美術館・美術展の進化形

が可能だと思います。今まで何回か書いてきましたように、メタバースがなくても、バーチャル美術館・美術展は可能ですが、メタバースを用いれば、複数の人間が同時に1つの美術館や美術展に行くということが可能になると思います。友人や家族と一緒に美術館に行く、さらには、学校のクラス(校外学習)や大学のサークルで美術館に行く、そういうことがメタバースならば可能になると思います。そして、これは、世界のどこへでも行くことができるということになります。「これから、みんなでテイト・モダンに行ってみよう」などという、正に夢のような体験です。

 

次に、「双方向性」ということから、

・講演会・レクチャー・セミナーなどへの参加

が可能になるでしょう。今までも、チームス(teams)とかズーム(zoom)といったアプリで可能だったわけですが、「メタバース」によってこの部分がどれくらい進化するのかというのは、今は具体的にイメージできません。

 

とりあえず、本日は以上までです。

ただ、以上については、単純に当方がメタバース(の空間)に入れば可能になるというわけではなく、訪問する先、参加する先(美術館等)での、訪問・参加可能な空間・場面の設定・設置が不可欠になります。

その意味では、それぞれの美術専門機関での動きや専門家による企画が必須であり、その部分が迅速に進むことが期待されます。

 

もちろん、受け身でただ待っているしかない、ということではなく、自分から動き出せばいい(企画を作ればいい)ということはあります。例えば、素人であっても「これこれの美術作品に関するセミナーを実施します」と告知をして、関心がある人に集まってもらうようにすれば、そこに場面が設定できた、ということになります。ただし、情報発信の方法にはかなり工夫をしないと、伝達や集客はあまり見込まれないでしょう。例えば、このブログがほとんど読まれていないであろう、ということと同様に。とともに、そもそも、個人が簡単に「メタバース」の「場」の設定が可能なのでか、という(技術的な)点が現時点ではよくわかりません。

 

しかし、現状では、情報ソースが限られるという問題が依然としてあります。以前にも似たようなことを書きましたが、世界中の情報(書籍。美術作品等の資料・図版)が自由に使えるようになっていかないと、メタバースを使ったとしてもできることがかなり限定されるのではないかと思います。

例えば、古賀春江くらい有名な画家であれば、ネット上でいくらでも図版は見つかるでしょうし、関連書籍も近くの公立図書館で借りられるかもしれません。しかし、永田一脩くらいになるとどうでしょうか? ネット上で発見できる図版は激減し、資料も容易には手に入らないこととなって、情報を発信しようにも、前に進めなくなってしまうと思います。

 

そういう意味でも、格段の情報提供の拡大、情報使用の自由化に期待したいと思います。

結局ここに戻ってきてしまいましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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Akihoshi Yokoran
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