次の本が昨年刊行されています。
教養として知っておきたい名画BEST100
2021年9月10日 第1刷発行
監修:山内舞子
編集:有限会社オフィス・ポストイット(永岡邦彦、朝倉めぐみ、五箇貴子)
表紙・本文デザイン:戸部明美(at)
校正:有限会社くすのき舎
発行所:株式会社永岡書店
20世紀に限られた内容でもありませんので、割と有名ではない作家や分野に偏ってご紹介しているこの場で取り上げるのは適切ではない、と思う面もありました。しかし、美術史全体を対象とした書籍で、20世紀前半ではどのような作家が取り上げられているのか、という点に関心があったので、この場でご紹介します。
まずは、20世紀前半で取り上げられている作家を列挙いたします。
(p11の「大まかな西洋絵画史の流れ②(19世紀中頃~現代)」より。2つ以上の分野に重なっている作家もありますが、書きにくいので以下では1つの分野に入れています。)
<キュビスム>20世紀初頭
14位:ピカソ:P.42
<フォーヴィスム>20世紀初頭
25位:マティス:P.66
80位:ルオー:P.163
<表現主義>20世紀初頭
5位:ムンク:P.24
<抽象絵画>(20世紀前半~現代)
31位:カンディンスキー:P.80
10位:モンドリアン:P.34
45位:クレー:P.112
<エコール・ド・パリ>20世紀前半
49位:ローランサン:P.120
58位:ユトリロ:P.139
37位:モディリアーニ:P.92
47位:藤田嗣治:P.116
23位:シャガール:P.62
<形而上絵画>20世紀初頭
68位:キリコ:P.151
<ダダイスム>20世紀前半
62位:デュシャン:P.143
<20世紀前半アメリカ大陸の画家たち>19世紀末~20世紀初頭
95位:エドワード・ホッパー:P.180
93位:ジョージア・オキーフ:P.178
77位:フリーダ・カーロ:P.160
<アール・デコ>20世紀前半
97位:レンピッカ:P.182
<シュルレアリスム>20世紀前半
99位:ミロ:P.184
90位:マグリット:P.175
7位:ダリ:P28
<抽象表現主義>20世紀中頃
74位:ロスコ:P.157
66位:ポロック:P.149
なお、日本については、13ページに「中世以降の日本絵画史(12世紀~現代)」に上記の藤田嗣治以外に次の3名が記載されています。
84位:上村松園:P.167
81位:岸田劉生:P.164
30位:岡本太郎:P.78
ちなみに「近代絵画」という意味では次の3名も該当するかと思いますが、取り上げられた作品がいずれも1900年以前の作品だったので、含めませんでした。特に、横山大観は含めるかどうかについてかなり迷いました。
70位:高橋由一:P.153
87位:黒田清輝:P.172
43位:横山大観:P.108
以上で、26名です。
これは、19世紀末から20世紀初めにかけての印象派、ポスト印象派、その他世紀末の美術を除いてですから、相当な数だと言えます。