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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

大阪中之島美術館・開館(1989)

大阪中之島美術館が、202222日(水)に開館しました。

現在、開館記念展である「超コレクション展99のものがたり」が321日(月・祝)まで開催中です。

 

もともと1988年に「大阪市立近代美術館」として計画がスタートしたということですので、開館まで30年以上が経過したということになります。その間、大阪市の財政難によるトラブルなどもあって、かなりの紆余曲折があったようです。

とにかく、曲がりなりにも開館までこぎつけることができたことについて、大いに祝福したいと思います。

 

ウエブサイトの「コレクション」のページなどをご覧いただければお分かりいただけますが、この美術館の大きな特徴として、大阪に関わる近現代美術(絵画・写真・デザインなど)の所蔵作品が非常に多いので、個人的には、企画展よりも、むしろ所蔵作品展を期待しているくらいです。

https://nakka-art.jp/collection/top/

http://jmapps.ne.jp/osytrmds/

 

例えば、戦前の日本の写真作品では、例の花和銀吾の「複雑なる想像」(1938年)をはじめ、上田備山、梅阪鶯里、平井輝七、天野龍一(特に多い)、川崎亀太郎、岩浅貞雄、榎本次郎、山脇巌、福田勝治、椎原治、佐保山堯海、河野徹、小石清、棚橋紫水など。

また、同時期の海外の写真作品(ドイツ、イタリア、ロシア)もあり、とくに、ロトチェンコの作品は多く所蔵されています。

さらに、1950年代でも、瑛九をはじめ、玉井瑞夫、津田洋甫、中藤敦などの作品があり、それ以外でも、個人的には「大阪写真」の第一人者と言ってもいいと思っている百々俊二(どど・しゅんじ)や、戦前から長い活躍の山沢栄子の作品も多く所蔵されています。

 

また、この大阪中之島美術館には、図書室だと思われる「アーカイブズ情報室」もあるようですので、こちらも期待しています。

 

ちなみに、すぐ隣には、東京、京都に続く、第3の国立近代美術館である国立国際美術館もあり、一緒に寄ることもできるという贅沢な場所です。

かなり余談になりますが、この国立国際美術館は、かつて吹田市の「千里」というもっと大阪の北側の「万博記念公園」の中にあり(岡本太郎の「太陽の塔」のある場所です)、行ったことがありますが、美術館に行くために多くの人がわざわざ向かうという場所でもなく、お客さんがほとんどおらず、やや荒れているという印象がありました。移転して、本当に良かったと思います。さらに余談となり、余計なお世話でもありますが、木場の東京都現代美術館が、今後同じような荒れ方をしないか心配しています。ジブリなどアニメ関係の企画をいつまでも続けていくことはできるのか、そのことで確実なリピーターを生み出せるのか、注視していかねばなりません。

 

横道にそれすぎました。

現在新型コロナで、大阪に行くこともなかなかためらわれる時期ではありますが、下火になるのを待って、この大阪中之島美術館をぜひ訪問してみたいものです。

 

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Akihoshi Yokoran
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