以下のとおり、デ・キリコ展が開催される予定です。
デ・キリコ展 不思議の世界へ、ようこそ。
Giorgio De Chirico: Metaphysical Journey
東京都美術館
2024.4.27-8.29
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、朝日新聞社
後援:イタリア大使館
特別協賛:大和証券グループ
協力:ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団、メタモルフォジ財団
上記サイトにもまだほとんど何の情報もありませんが、ニュースなどの情報も加えると
・10年ぶり
・展示総点数は不明
・初期から晩年までの作品(1918年の「形而上学的なミューズ」の図版がサイトにも掲載されているので、1910年代の形而上絵画も含まれると推測される)
・「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマ別展示
特に、個人的には1910年代の作品に期待していますが、サブタイトル、英文タイトル、テーマ別で挙げられている「テーマ」を見ると、1910年代に限られるわけではないものの、形而上作品により重点を置いているように思います。
あとは巡回先の情報が、早く公表されてほしいですね。
なお、「10年ぶり」というのは、次に挙げる企画を意図しているのでしょう。このパナソニックは、行きましたね。
ジョルジョ・デ・キリコ展
2014年6月21日-8月22日:岩手県立美術館, 2014年8月30日-10月19日:浜松市美術館, 2014年10月25日-12月26日:パナソニック汐留ミュージアム
主催: 岩手県立美術館, 浜松市美術館, パナソニック汐留ミュージアム [ほか]
これ以前に、次の2つの企画にも行っていますが、いずれも、1910年代の作品はなかったか(前者にいたってはタイトルが1920年からとなっている)、ほとんどなかったように思います。
デ・キリコ展1920-1950
1993年6月5日-7月11日, 千葉県立美術館, 1993年7月16日-8月15日:東京都庭園美術館, 1993年8月28日-9月26日:ナビオ美術館, 1993年10月30日-12月5日:ふくやま美術館
主催: 美術館連絡協議会, 「デ・キリコ展1920-1950」実行委員会 [ほか]
デ・キリコ展
新宿・小田急グランドギャラリー ; 高松市美術館 ; 大丸ミュージアム・梅田 , 1989.10-1990.3
主催:読売新聞社[ほか]
ちなみに、次の展覧会は、開催されていたことに気づいていないか、あまり意識していなかったようで、当方は行っていません。
デ・キリコ展 : 終わりなき記憶の旅
2000年11月11日-2001年1月14日:Bunkamuraザ・ミュージアム, 2001年6月1日-6月24日:石川県立美術館, 2001年6圧30日-7月29日:大分市美術館, 2001年9月1日-10月2日:美術館「えき」KYOTO
主催: 東急百貨店、日本経済新聞[ほか]
今回の企画の開催期間は5月の連休も夏休みも含まれる長期間ですが、実は、リニューアル後は、東京都美術館には行ったことがないので、この機会に訪問してみてもいいかなと思っています。
個人的には、形而上絵画という意味で、デ・キリコに限らず、あわせて、カルロ・カッラ、アルベルト・サヴィニオ、フィリッポ・デ・ピシス、マリオ・シローニなどの作品も入れていただきたかったところです。というのも、これらの作家の「形而上作品」が紹介される展覧会は、今後もほとんど日本では開催されないだろうと思われるからです。これらの作家の個展は日本では勿論開催されないと思いますし、グループ展としての「形而上絵画展」という企画も日本ではほぼ未来永劫困難ではないかと思います。あとは、「イタリア美術の20世紀」的な企画(過去にもありました)でこれらの作家が含まれる可能性は今後もあるとは思いますが、そのような企画では「形而上絵画」という観点からは、あまりに「薄まって」しまい、魅力はなくなってしまうでしょう。なお、形而上絵画というと、あとジョルジョ・モランディがいますが、この作家は、日本でも個展が何回も開催されていますので、他に展示される機会があろうと思って、あえて入れませんでしたが、もちろん、日本で「形而上絵画展」が開催されることになって、その中にモランディの作品も入れていただけるのであれば、それに越したことはありませんし、むしろ含めるべきでしょう。
本企画の開催はまだまだ先ですので、今後の情報に期待します。
よろしくお願いいたします。