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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

安井仲治展、展覧会カタログ、東京ステーションギャラリーへの巡回(2079)

安井仲治展、徐々に情報が出てきているようです。

 

まずは、展覧会カタログが、通常の書籍の形式で発売されることがわかりました。一般の書店で購入できるので、展覧会カタログの入手だけならば、各開催美術館へ直接足を運んで購入したり、現金書留を代金を送って郵送してもらう、というような手間が省けます。

次の本です。

 

安井仲治作品集

安井仲治(共同通信社も編集にかかわっているようです)

河出書房新社

2023/10/16発売

価格 ¥3,740(本体¥3,400

 

なお、前回2004年の展覧会の時の展覧会カタログは、共同通信社からの刊行でした。

何度も書いておりますが、一般の流通に乗りますと、公立図書館で所蔵してもらえる可能性が出てくるという大きなメリットがあります。「展覧会カタログ」という位置づけですと、その公立図書館が属する都道府県・市町村の美術館の展覧会カタログであれば格別(とはいえ、それでも所蔵していない場合も多いと思います)、通常は所蔵してもらえません。美術館の図書室か国立国会図書館のみしか頼れない、ということになってしまいます。

 

続いて、展覧会が東京ステーションギャラリーにも巡回することがわかりました。成相肇さんは、2021年に東京国立近代美術館に異動なさってしまったようなので(増田玲さんのご後任か?)、担当の学芸員はどなたなのでしょうか?

これにより、現在のところ、展覧会の全体スケジュールは以下のようになります。

 

生誕120 安井仲治 僕の大切な写真

 

愛知県美術館:2023106日(金)~1127日(月)

兵庫県立美術館:20231216日(土)~2024212日(月・振休)

東京ステーションギャラリー: 2024223(金・祝)2024414()

 

ちなみに、東京ステーションギャラリーのウエブサイトには、「今後の展覧会」を調べてみても、安井仲治展について、内容はもちろん、開催されるということすら掲載されていないんですよね。情報不足も甚だしいところです。

それから、上記のとおり、中京、関西、関東と巡回していますが、安井仲治という巨人の企画ですから、その他の地域、例えば九州、例えば中国・四国、例えば北陸、例えば東北、例えば北海道、例えば海外など、さらに巡回するということはないでしょうか? 期待はしているのですが。

 

最後に、関東での開催が「東京ステーションギャラリー」だという点は、なるほどと思いました。実際、セゾン美術館亡き後の東京で本格的な写真展(20世紀前半の)を開催できる美術館というのは、それほど多くなくて、東京都写真美術館、東京国立近代美術館、世田谷美術館、渋谷区立松濤美術館、かろうじて目黒区美術館、開催する可能性があるという意味では東京都美術館と国立新美術館、あとは対象が20世紀後半の写真になってしまいますが、東京都現代美術館、東京都庭園美術館、そして20世紀前半も含めて東京ステーションギャラリーくらいでしょう。Bunkamuraザ・ミュージアムは改装のため、実質的に休館中ですね。かつては、その東急以外の各百貨店の美術館や美術スペースでも写真展が開催されていましたが、現在では、企画側(GIPPPS通信社など)の活動がほとんどないので期待できないでしょう。

関東の東京以外でもよければ、横浜美術館、神奈川県立近代美術館、今年写真展「前衛写真の精神」を開催した千葉市美術館。川崎市市民ミュージアムは台風による浸水被害で移転・取壊しが決まったものの、移転先さえ決まっていないようですので、展覧会が開催できるような状態になるまでにはかなりの時間が必要でしょう。また埼玉県立近代美術館や板橋区立美術館などは、20世紀前半の美術全般という意味では非常に重要ですが、写真展の実績はないようにも思います。さらに、水戸芸術館や栃木県立美術館は、対象がそもそも主として20世紀後半でしょうが、1980年代、1990年代に比べると写真展企画についてはかなり消極的になっているように感じます。

 

まとめると、1990年代に比べて、関東において、20世紀前半の写真展を開催できる場は、かえって減っているようにさえ思えます。

 

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Akihoshi Yokoran
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