少し前ですが、次の本が刊行されています。
写真は、どうしても、カメラという機材によるところが大きいですから。
カメラとにっぽん: 写真家と機材の180年史
日本カメラ博物館・編著
国書刊行会
2019/10/26
2970円
目次
1 写真黎明期―ダゲレオタイプから乾板まで(ダゲレオタイプカメラ、日本への写真伝来 ほか)
2 表現手段としてのカメラ―アマチュア写真から報道写真まで(福原信三とソホレフレックス・トロピカル、福原路草とソルントンレフレックス ほか)
3 カメラと写真家の繚乱時代―フィルム全盛期(木村伊兵衛とローライフレックス、林忠彦とライカ、ローライ ほか)
4 表現と機能の多様化―そしてデジタルへ(広田尚敬とニコンF、キヤノンF‐1、水谷章人とキヤノンF‐1 ほか)
5 私とカメラ―ターニング・ポイント(藤本四八―焼け跡の銀座で、笹本恒子―女性で初めての報道写真家として ほか)
目次に「ほか」が続出で困るのですが、Amazonに掲載されている目次は、中途半端な時がありますね。
「日本カメラ博物館」といえば、JCII、内容は、とても期待できます。
>>1854
「山沢栄子展の展示作品リスト」より、戦前の作品部分のみをコピーします。(1949年の作品を1点含む)
第4章 「写真家」山沢栄子
参考資料2
山沢栄子
静物
1921
『栄子画集』(星発行所、1921 年)
東京都現代美術館
参零資料3
山沢栄子
風景
1928-29頃
『 第三回国際写真サロン』(朝日新間社、 1929)
個人蔵
参考資料4
山沢栄子
石井漢
1932
『会館芸術』第3巻第2号(1934.2)
参考資料5
山沢栄子
吉屋信子
1934-35頃
『アサヒカメラ』 第19 巻第1 号(1935.1)
129
山沢栄子
長谷川時雨
1934
ゼラチン・シルパー・プリント
21. 5 x 17.0 cm
中央区立郷土天文館
130
山沢栄子
浜地和子
1936頃/プリント1950 年代
ゼラチン・シルパー・プリント
15.7x14.5 cm
個人蔵
131
山沢栄子
山本安英"土"
1943/プリント1990
ゼラチン・シルバー・プリント
10.6x8.1cm
東京都写真美術館
132 -36
山沢栄子
山本安英、山本有三作
「女人哀詩」のお吉
1943- 44頃
ゼラチン・シルバー・プリント
15.0x10.5, 14.0x 10.0, 10.7x 12.0,
14.0x11.0, 14.5x 11.0 cm
個人蔵
137
山沢栄子
山本安英、チェーホフ作
「ワーニャ伯父さん」のソーニャ
1943-44頃
ゼラチン・シルパー・プリント
14.8x 10.5 cm
個人蔵
138
山沢栄子
山本安英、豊田正子作
「綴方教室」の正子
1943-44頃
ゼラチン・シルパー・ブリント
12. 2x 8.5 cm
個人蔵
139
山沢栄子
山本安英、 木下順二作
「山脈」のとし子
1949
ゼラチン・シルバー・プリント
9.0 x6.0cm
個人蔵
140
山沢栄子
山本安英、梅本重信作
「武蔵野」の正江
1943-44頃
ゼラチン・シルパー・プリント
10. 0x 8.7cm
個人蔵
参考資料6
山沢栄子
疎開中の写真
1945
『山本安英舞台写真集』
(未来社、1960)
参考資料7
山沢栄子
疎開中の写真
1945
写真アルパム
ゼラチン・シルパー・プリント
個人蔵
以上ですが、誤字がないことを祈ります。
もう始まっていますが、次の展覧会をご紹介。
山沢栄子 私の現代
東京都写真美術館
2019年11月12日(火)~2020年1月26日(日)
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3445.html
東京都写真美術館のサイトには、作品リストも掲載されています。さすが。
https://topmuseum.jp/upload/3/3445/list.pdf
主として、戦後の作品の展覧会なのですが、作品リストをご覧いただくとよくおわかりいただけるとおり、
・第4章 「写真家」山沢栄子
に「参考資料」も含めて、17点ほどの戦前の作品が含まれています。
なお、担当学芸員は、鈴木佳子さん。
また、この展覧会は西宮市大谷記念美術館との共同開催、とのことです。
西宮市大谷記念美術館
会期:2019年5月25日[土]−7月28日[日]
西宮のほうの担当学芸員は、池上司さんです。
最後に、関連イベントを2つご紹介。
山沢栄子が出会ったアメリカ ― 女性、写真、創造する知覚
2019年12月1日(日) 14:00~15:30
講師:日高優(立教大学教授)
会場:1階スタジオ(定員50名)
聴講無料 *当日10:00より1階受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。
物が少ない作家 ― 山沢栄子の写真とアメリカ
2019年11月23日(土・祝) 14:00~15:30 終了致しました
講師:池上司(西宮市大谷記念美術館学芸員)
会場:1階スタジオ(定員50名)
2件目は、昨日終わってしまいました。
この本の対象はおそらく戦後のみなのですが、写真史関連ということで簡単にご紹介。
写真を見るということ 外の発見
潮田 文(ウシオダ ブン)
470ページ
青弓社
2019/9/23
¥3,300
目次は、以下の通り。
はじめに
Ⅰ 写真と哲学――外の発見
1 夢の鏡
2 始源への問い
3 視覚の謎
4 〈それは=かつて=あった〉
Ⅱ 写真私史――あるパラダイス
1 風に吹かれて
2 コンポラ写真と私
3 暗箱のパラダイス
Ⅲ 戦後民主主義と写真
1 なぜ、中平卓馬か
2 木村伊兵衛と東松照明
3 日本的「愛のドラマ」
Ⅳ ベンヤミン読解
1 アウラの変容
2 仮象から遊戯へ
3 「言語一般および人間の言語について」読解
4 付・シネマトグラフの研究
あとがき
以上ですが、ちなみに、この作者は、「ALLAN」を創刊した人だそうです。
以前にご紹介した「前衛誌 日本編」ですが、少しですが実物を見ることができました。
これだけの素晴らしい本に対して(しかも、これだけの質・量を一人で執筆しておられる)、何かを書くのは、極めてきためらわれますが、以下、1点だけ書いてみます。
写真についてまとまった記事があればよかったのだが、と思いました。「巻弐[図]」のほうにも、堀野正雄の『終点』という写真集が掲載されていたり、写真雑誌もフォトタイムス、光画、FRONTなど多数掲載されていますが、「巻壱[文]」のほうには、特にまとまった写真についての解説がありません。部分部分で、関係する写真家に触れられている、という程度です。
巻末の人名索引を見てみると、堀野、淵上の掲載が多く、福原、中山がほんの少し、逆にないのは、野島、名取、小石、高山など。物足りないですね。写真に関連して取り上げるべき項目はいろいろとあったはずで、もう少し多くの写真家も取り上げ、「未来派・ダダ・構成主義」と関連付けて、まとまった時代紹介・状況紹介を書くことは可能だったはずです。
(ちなみに、「事項索引」がないのは不便だと思いました。)
最後に、西野さんに期待するのは筋違いかもしれませんが、シュルレアリスムに関しても、同様のタイプの本を作っていただけないかと思います。
いろいろとまとまりなく書きましたが、よろしくお願いします。