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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

瀧口修造と前衛写真(2221)

次の本が刊行されています。

 

瀧口修造と前衛写真

伊勢 功治

作品社

2026/02発売

価格 ¥3,520(本体¥3,200

 

当方にとってはかなり核心を突く内容です。

今まで、この点についてここまで書いている書籍はありません。異様に貴重な文献です。

また、全体の半分とまではいかないまでも、かなりの量の図版を掲載しており、その点においても非常に貴重です。

 

しかし、次の2点にはとりあえず不満が残ります。これらを含めた続篇に期待します。

 

・前衛写真協会の個別のメンバーや作品についての紹介がほとんどない。個別の作品についての評価もない。また、活動全体についてよく言われる「理論や思想は優れていたが、実作品としては理論や思想が十分に反映されていなかった」という点は正当な評価なのか? そうだとすれば、その理由は何か? この本の書名を少しもじって、「瀧口修造と前衛写真協会」という一章が欲しかったところです。

・関西(浪華写真倶楽部、丹平写真倶楽部、芦屋カメラクラブ、アヴァンギャルド造影集団など)との個別具体的な接点に言及がない。フォトタイムスの2つの座談会(要するに、議論がかみ合っていないこと)の紹介のみに終わってしまっている。特に、瀧口の日本の写真に対する発言が非常に少ないことが気になります。

この第2点については、長くなりそうですので、後日改めて書いてみたいと思います。

 

なお、挟み込みの「A3判 瀧口修造詳細写真年表」は大変興味深いのですが、これに基づく、写真史の執筆を伊勢さんにお願いしたいところです。

(そういえば、伊勢さんの、雑誌「写真空間」(青弓社)休刊により中断してしまった連載「一九二〇-三〇年代の日本の写真雑誌」(第4回まで)を何とか完結させていただいて刊行する、というのは無理でしょうか?)

 

最後に目次を掲載しておきます。

 

【目次】
瀧口修造 写真との邂逅

・瀧口修造の生い立ち

・県立富山中学校と卒業生

・慶大での挫折と小樽

・西脇順三郎との出会い

・詩誌と詩友たち

・写真との出会い

・最初の撮影

・鈴木綾子と前衛絵画クラブ

・写真評論への道

写真と物質 戦前の瀧口修造の写真論をめぐって

・前衛写真の受容

・妖精の距離

・写真評論

・植物の記録

・主体と客体、主題と物質

マン・レイと瀧口修造

・瀧口修造とマン・レイ

・「光の人」マン・レイの誕生

・メディアを越境する光線

・マン・レイとマルセル・デュシャン

・マン・レイの実験映画

・映画と瀧口修造

写真家・大辻清司と瀧口修造

・写真との出会い

・科学少年時代

・戦争体験と写真教育

・斎藤義重との共同生活

・モノへのこだわり

・タケミヤ画廊と実験工房

・瀧口から受けた思想

瀧口修造と前衛写真

・瀧口修造と写真評論

・ウジェーヌ・アジェ

・瀧口修造の『近代芸術』

・写真と超現実主義

・「前衛写真協会」と「前衛写真座談会」

・日本の「前衛写真」の問題点

・「浪華展をめぐりて関東関西座談会」

・日本的「超現実主義」写真

・「造型写真」と「写真造型」

・瀧口修造の拘留

・シュルレアリスムと共産主義

・写真における絵画性と記録性

・映画の前衛性と写真

・前衛写真の可能性

瀧口修造 写真関連年譜

参考・引用文献

あとがき 詩人と写真

初出一覧

 

附:A3判 瀧口修造詳細写真年表

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Akihoshi Yokoran
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