次の展覧会が開催予定です。
日本経済新聞社 創刊150周年記念
ザ・ファミリー・オブ・マン写真展(The Family of Man)
会期会場
・日本橋高島屋S.C.
会期:2026年8月12日(水)〜24日(月)
※8月19日(水)は休業日
会場:日本橋高島屋S.C. 本館8階 ホール
【ご入場時間】
午前10時30分~午後7時(午後7時30分閉場)
※最終日は午後5時30分まで(午後6時閉場)
・京都高島屋S.C.
会期:2027年4月巡回予定
・大阪高島屋
会期:2027年秋以降巡回予定
主催:日本経済新聞社
特別協力:ルクセンブルク国立視聴覚センター、ルクセンブルク文化省、駐日ルクセンブルク大公国大使館
協賛:エプソン販売、Sigma
協力:アトリエマツダイラ、徳川印刷、フレームマン
後援:一般財団法人 日本カメラ財団、公益社団法人 日本写真家協会、公益社団法人 日本写真協会
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/the_family_of_man/
ザ・ファミリー・オブ・マン写真展は、もともと、当時ニューヨーク近代美術館(MoMA)の写真部長を務めていた写真家エドワード・スタイケン(Edward Steichen 1879 -1973)が
企画・キュレーションし、MoMAで開催された写真展です。その後、世界各国を巡回し、日本では、1956年に日本橋高島屋において日本経済新聞社主催で開催されました。
それを今回、同じ会場、同じ主催者で、70年を経て回顧するという企画です。
対象が戦前の作品に限られているわけではありませんが、非常に興味深い企画です。
出品される写真家一覧が掲載されていますので、そこだけコピーしておきますと、以下のとおりですが、日本人でも見慣れない名前があることが印象的です。
アルフレッド・アイゼンスタット、マヌエル・アルバレス・ブラボ、ローラ・アルバレス・ブラボ、イジス、ローマン・ヴィシュニアック、ジェイ・テ・ウィンバーン、ルース・オーキン、大滝栄寿、岡本洋一、アンリ・カルティエ゠ブレッソン、蒲生右之助、ロバート・キャパ、ハリー・キャラハン、ロバート・キャリントン、ハーマン・クライダー、バート・グリン、ドミトリ・ケッセル、デヴィッド・シーモア、ゴットハルト・シュー、エリック・シュワブ、ボブ・シュワルバーグ、エドマンド・バート・ジェラード、エドワード・スタイケン、コンスタンス・スチュアート、ギテル・スティード、W・ユージン・スミス、デイヴィッド・ダンカン、ロイ・デカラヴァ、J・デ・ピエトロ、チャールズ・トリーシュマン、ネル・ドア、ロベール・ドアノー、レナート・ニルソン、エルンスト・ハース、バート・ハーディ、ピーター・W・ハーバーリン、ユージン・ハリス、リチャード・ハリントン、ロバート・ハルミ、マーガレット・バーク゠ホワイト、シャーリー・バーデン、ルー・バーンスタイン、エスター・バブリー、ウィン・バロック、ヴェルナー・ビショフ、ナット・ファーブマン、アンドレアス・ファイニンガー、ヴィト・フィオレンツァ、ジョン・フィリップス、ルイス・フォア、サム・フォーク、ヴィリー・フッティヒ、トニ・フリッセル、ジョン・フロレア、ビル・ブラント、リーヴァ・ブルックス、マシュー・ブレイディ、レオンティ・プランスコイ、オットー・ヘーゲル、アーヴィング・ペン、フランク・ホーヴァット、マリア・ボーディ、アーノルド・マース、カール・マイダンス、ハンス・マルムベリ、ウェイン・ミラー、ジョーン・ミラー、リー・ミラー、メイ・ミリン、デイヴィッド・ムーア、ラルフ・モース、山端庸介、リサ・ラーセン、ニーナ・リーン、デイヴィッド・リンドン、ローレンス・ルゲイ(回顧展パート、五十音順)
この作家の顔ぶれについては、後日機会があれば、検証してみたいところです。
また、これに加えて、
<現代写真家による「ザ・フォミリー・オブ・マン」>
として「現代作家のパート」も含まれるそうです。構成は、日本とルクセンブルクからそれぞれ約25点ずつ(計約50点)の写真作品ということです。日本側は日本経済新聞社の写真記者が、一方、ルクセンブルクからは、同国のCNA(国立視聴覚センター)の選定による現代作家が参加、ということです。。
期待できます。特に、前者の日本側の写真家の選定は極めて新しい視点です。
この企画の中で、当方が特に注目したのは、1940年の写真作品《室内》シリーズです。
畳の上に置かれた1枚の新聞紙(くしゃくしゃに丸められた新聞紙ですが、一旦ぎゅっと握りつぶされて、ふんわりと開かれた感じがします)、それを長い影とともに撮影した、非常に印象深い作品です。
ただ、当方がどこで(どの書籍で)この作品を見たのかは、直ちに判明しません。
この写真作品は、自由美術家協会第4回展(「紀元二千六百年記念 自由美術展」)に出品されたそうですが、その際には4点から構成される組写真だったそうです。そのうち、《室内(二)》のみ画像が判明している、ということです。
この点は、今回の会場での解説を読んで、はじめて知りました。
そして、今回の展示では、学校法人甲南学園長谷川三郎記念ギャラリーが所蔵する《室内》シリーズの全画像(四つ切サイズの同一カット7種、手札サイズの同一カット8種、全39点)を、モニター上にループで繰り返し映し出される画像で展示しています。
この39点のうち、どれが残る3点の作品かは特定されていないようですが(そもそも、この39点に含まれているのかどうかもわかりませんが)、これらの画像を見ると、室内での配置や構図、焼き付けの際の明るさやコントラストなど、この作品の制作において、様々なスタディをしていたことがうかがわれます。
こんな展示が成り立つことが新鮮な驚きですが、このような方向での紹介は、極めて有効であり、可能であれば、今後も他の作家や作品についても、実施していただきたいところです。
なお、解説の最後によれば、写真作品に使用された新聞紙は『大阪毎日新聞(名古屋版)』(1940年4月19日、28日)で、撮影場所は長谷川夫人(長谷川喜代子氏)の実家があった名古屋と考えられているそうです。
「杉本博司」展の陰に隠れている気もしますが、次の企画が東京国立近代美術館で開催中です。
生誕120周年 長谷川三郎と国立近代美術館
東京国立近代美術館所蔵品ギャラリー(2階)
2026年5月26日(火)~9月13日(日)
https://www.momat.go.jp/exhibitions/r8-1-g4
作品リスト
https://www.momat.go.jp/wp-content/uploads/2026/05/d8f4291720a92bd6b98708f0f78678d7.pdf
パンフレット
https://www.momat.go.jp/wp-content/uploads/2026/05/2da8b1cfa6fca97d59c8dd2d756ea2d4.pdf
日本の抽象絵画のパイオニアの1人である長谷川三郎の、作家としてだけでなく、評論家・思想家、さらにキュレーターとしての側面に注目するという企画だそうです。大変に興味深い企画です。
2020年に開催された、北脇昇展を思い出させます。ただし、長谷川三郎本人の作品が少ないことが気になります。
いずれにしても、ぜひ足を運んでみたい企画です。
次の展覧会が開催中です。
ただし、「予約制」で、突然行っても見られない可能性がありますので、十分にご注意ください。
石橋財団コレクション選 瀧口修造 書くことと描くこと
2026年6月23日(火)―10月4日(日)
アーティゾン美術館(旧ブリジストン美術館)
※2015年までブリヂストン美術館、2020年1月アーティゾン美術館として新たに開館
紹介ページ
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/604
スペシャルサイト
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/takiguchi2026/
チラシ
https://www.artizon.museum/exhibition/download/224
作品リスト
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/takiguchi2026/assets/pdf/Taki_List.pdf
瀧口修造ご本人の作品(アーティゾン美術館が所蔵している163点(共作含む)から)のほか、関係する諸作家(19世紀末から現代まで)の作品、合計218点です。
古賀春江の作品など、戦前の作品も含まれていますが、実際に戦前の瀧口の活動などについてどの程度触れられているかは疑問です。
ちなみに、アーティゾン美術館は、ブリジストン美術館の時代には、印象派、ポスト印象派、エコール・ド・パリなど穏健な作品を対象とした企画が主でしたので、(古賀春江を除き)あまり関心を持ってきませんでした。
しかし、アーティゾン美術館となり、2023年の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」の開催以降あたりから、20世紀前半以降を主とした企画が増えてきて、注目しています。今回の瀧口修造の企画もその流れでしょう。ぜひ、20世紀前半についても、第2のセゾン美術館のような企画や活動を目指していただきたいと思います。
https://www.artizon.museum/exhibition/past/detail/557
(なお、この企画の展覧会カタログは、怖ろしいほどの充実さです。残念ながら、もう入手はできなくなっていますが。)
他にも、20世紀前半の時期を対象とするアーティゾン美術館の企画に、次のものがありました。
ブランクーシ 本質を象る 2024年3月30日[土] - 7月7日[日]
https://www.artizon.museum/exhibition/past/detail/572
ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ 2025年3月1日[土] - 6月1日[日]
https://www.artizon.museum/exhibition/past/detail/585
このペースだと、今後も年1回は20世紀前半を対象とする企画が期待できるということかもしれません。
まなざしの奇跡(2203)(2025年12月7日)でご紹介した渋谷ヒカリエの展覧会(1950年代以降の女性写真家だけの展覧会)ですが、昨日7月4日(土)から開催されています。
先にご紹介した際には「主な出展作家(29名)」となっていましたが、アップデートされた現在の情報では、「30名」で「ヒロミックス」が追加されています。どういう事情だったのでしょうか?
なお、チラシの説明によれば、「世界巡回展の出品作家にさらに4名が加わり、計30名」とありますが、その4名とは、今井壽惠、岩根愛、藤岡亜弥、米田知子だそうですが、追加の理由については、特段の説明はありません。