>>1899-1900
以前にご紹介した『キュビスム芸術史』にちなんだネタを書きたかったのですが、まとまらないので、すみませんが、細目次だけを掲載します。
<キュビスム芸術史・細目次>
目次
凡 例
序 章
第I部 幾何学による解剖・解体と「概念の現実」の誕生
第1章 キュビスムをめぐる言説 —— レアリスムとの関係からの考察
1 プロト・キュビスムから分析的キュビスムまで
・カーンワイラーによる発展段階の記述
・バーと「分析的キュビスム」
・ルービンによる「セザンヌ的キュビスム」の定義
・スタインバーグによるルービン批判
・カーメルによる新たな年代区分
・本書での年代区分について
2 幾何学をめぐる言説と「概念の現実」
・キュビスムにおけるプリミティヴィズムと古典主義
・芸術における幾何学の二つの機能
・キュビスムと数学
・キュビスムと「概念の現実」
3 キュビスム以前の「現実」への問い
・十九世紀のレアリスムと自然主義
・ドニによる「装飾」の理論とキュビスム
第2章 現実の解剖、解体 —— 分析的キュビスムへの展開
1 美術解剖学における図式と抽象
・美術解剖学の歴史――自然の観察と科学的な知識
・人体比率の歴史――技術的比率と客観的比率
・キュビスムと美術解剖学、人体比率
2 ピカソと美術解剖学 —— 解剖学から「概念の現実」へ
・ピカソのプロト・キュビスム期における身体像についての先行研究
・ピカソの受けた美術教育と一九〇六年までの身体表象
・アスレティックな身体からアナトミックな身体へ
・彫刻作品におけるプロト・キュビスム
・アナトミックな身体からアナリティックな身体へ
・静物画・風景画における分析的キュビスム――ブラックとの比較からの考察
3 ピュトー・グループにおける様式的展開
・メッツァンジェとグレーズにおける分析的キュビスムの展開
・グレーズとメッツァンジェにおけるキュビスムの方法
・ル・フォーコニエ
・ジャック・ヴィヨンとレイモン・デュシャン=ヴィヨン
4 キュビスム作品における女性身体像
・《アヴィニョンの娘たち》における価値転換――退廃/再生から脱構築/再構築へ
・ぴゅとーグループの作品における女性像と自然・都市・モードとの関係
第I部結論
第II部 キュビスムの文法と詩学
第3章 芸術と詩的アナロジー —— 総合的キュビスムの文法
1 二次元と三次元の対話
・総合的キュビスムの定義
・ピカソにおける分析的キュビスムから総合的キュビスムへの展開
・グレーズおよびメッツァンジェの多視点的表現
2 形態的なアナロジーから詩的なアナロジーへ
・異質なもののあいだのアナロジーとダイアグラムの作用
・キュビスム作品の中の文字。言葉としてのキュビスム作品
・前衛芸術の造形における「メタファー」と「アナロジー」
・ピカソにおける古典主義の予見
3 「キュビスム文学」と挿絵本
・キュビスムの挿絵
・ピカソによる『聖マトレル』の挿絵
・『聖マトレル』編集者としてのカーンワイラー
・「キュビスム文学」をめぐる言説
・ルヴェルディの姉妹芸術論とブラックの挿絵
第4章 機械の詩学 —— 身体のメカニズムの探求からメカニックな身体へ
1 レジェとグリスにおける生物と無生物のアナロジー
・フェルナン・レジェと「人間の生活」
・フアン・グリスの建築的絵画
2 デュシャン兄弟、クプカ、ピカビアにおける身体表現
・デュシャン=ヴィヨンの《メゾン・キュビスト》制作過程における幾何学的表現と神秘主義との結びつき
・デュシャン兄弟とクプカにおける生理学への関心
・マルセル・デュシャンとピカビアにおける機械的な表現
・デュシャン=ヴィヨンとクプカにおける音楽への関心
・デュシャン=ヴィヨンにおける機械部品と有機的身体の融合
・デュシャン=ヴィヨンにおける解剖学と精神、機械と潜在意識の連関
・デュシャン=ヴィヨンとベルクソン
3 ヴォーティシズムにおける「現実」と機械のイメージ
・ウィンダム・ルイスにおける「現実」、「生命」と「無意識」
・ヴォーティシズムの彫刻
第II部結論
>>1832
>>1834
No.1832でご紹介した『自然写真の平成30 年とフォトグラファー』の「【巻末資料】掲載写真家生年表」に掲載されている写真家を1920年生まれまでご紹介します。
【巻末資料】掲載写真家生年表
1905 年 田淵行男
1906 年 吉野馨治 亘理俊次
1910 年 田村栄
1915 年 岩合徳光
1917 年 伊藤洋三
1918 年佐々木崑
1919 年 冨成忠夫 吉田六郎
1920 年 秋山庄太郎 飯田睦治郎
以上ですが、こちらも、何かのお役に立てば。
>>1832
No.1832でご紹介した『自然写真五〇年史』巻末の「〈自然写真〉写真集目録」から1945年までの写真集24冊を掲載します。
発行年 著者名 書名 出版社
1930 岡本東洋「花鳥写真図鑑」全6巻 平凡社
1930 下村兼史「鳥類生態写真集」三省堂
1930 武田久吉「尾瀬と鬼怒沼」梓書房
1931 科学画報・増刊「昆虫の驚異」誠文堂新光社
1931 冠 松次郎「日本アルブス大観」木星社書院
1931 下村兼史「野の鳥の生活」金星堂
1931 武田久吉、小林義秀「富士山」(日本地理大系別巻)改造社
1931 本田正次、本庄伯郎撮影「趣味の科学写真・野草の巻」総合科学出版協会
1931~32武田久吉「高山植物写真図聚」梓書房
1932 岡田紅陽「富士百景作品集」同文書院
1933 石井 悌「昆虫の生態」アルス
1933 神谷一男、本庄伯郎「蝶の生活」アルス
1933 本庄伯郎(写真) 「昆虫写真生態」I、II 西ヶ原刊行会
1935 日本鳥学会「日本鳥類生態写真図集」巣林書房
1936 下村兼史「北の鳥・南の鳥」三省堂
1937 岡本東洋「東洋花鳥写真集」芸艸堂
1940 石沢慈鳥「路傍の昆虫」三省堂
1940 岡田紅陽「富士山」アルス
1940 清棲幸保、下村兼史「鳥類生態写真集」芸艸堂
1940 山田 学、致知「動物生態写真集」1
1941 加藤邦三「カメラ随想 武蔵野の生態」科學主義工業社
1942 石沢慈鳥「四季の昆虫」アルス
1942 山田 学、致知「動物生態写真集」2
1943 冠 松次郎「雲表を行く」墨水書房
1944年、1945年については、挙げられている写真集はありませんが、やはり戦時中は自然写真だけでなく写真集そのものの刊行が難しかったのでしょう。なお、戦後になりますが、1946年~1949年についても、リストには写真集は含まれていません。
以上ですが、何かのお役に立てば。
次の本が刊行されています。
セザンヌー近代絵画の父、とは何か
永井隆則・編
イザベル・カーン、浅野春男、大木麻利子、工藤弘二・著
三元社
2019/7/17
4536円(4200円)
一見みすずの本かと思ってしまいましたが、違いました。
セザンヌは、確かに「近代絵画の父」と呼ばれていますが、なかなか理解できていません。
単純に、作品自体を見ることはありますが、その位置づけがよく理解できていないのです。しかし、知りたい、理解したいと思っています。
このような、そのテーマをストレートに対象とする本が刊行されるのですから、もやもやしている人が多いということなのでしょう。
実物をしっかりと読んでみたいと思います。期待しています。
ただ、懸念するのは、詳細に議論しすぎていて、余計にわからなくなるのではないかというおそれです。
最後に、目次は以下のとおり。第2部も資料として非常に役に立ちそうです。
第1部 セザンヌ―近代絵画の父、とは何か?
・序論「近代絵画の父‐セザンヌ」とは何か?を問うことの意味
・ピカソと師セザンヌ、近代性への道
・英語圏における“近代絵画の父セザンヌ”像の形成と展開
・セザンヌのりんご
・ポール・セザンヌは、いつ、どのようにポスト印象主義者となるのか?―マイア=グレーフェのセザンヌ‐マレー比較論
・「近代絵画の父‐セザンヌ」像は、日本で如何にして形成されたか?
第2部 セザンヌ基礎知識
・セザンヌ芸術の基礎概念
・セザンヌの人生
・セザンヌ研究の方法
・セザンヌが生活し制作した場所
・セザンヌと同時代の批評家たち
・セザンヌのコレクターたち
・セザンヌ展の歴史―生前と没後から現在まで
・セザンヌ油彩画、所蔵国別一覧表
・セザンヌ文献表
次の本が最近刊行されました。
自然写真の平成30年とフォトグラファー 進化するネイチャーフォト
日本自然科学写真協会・編
海野和男、湊和男、中島宏章、武田晋一、森本一宏、三宅岳、GOTO AKI、戸塚学、石黒久美、伊地知国夫
小学館
2019年
「自然写真家250人と作品350冊を紹介」ということなので、この本自体も面白いのですが、この本は次の本の続篇として刊行されているとのことです。
自然写真50年史(自然写真五〇年史) ネイチャーフォト一五〇〇冊の歩み
竹村 嘉夫・豊田 芳州 著
文一総合出版
1995.10
ところが、こちらの本も、戦後(第二次世界大戦後)のみをカバーしていて、戦前はほとんどその内容に含まれていません。
戦前には、「自然写真」は存在しなかったのでしょうか?
確かに、自然写真はカメラという機器の技術的性能(例えば、短時間の露光や十分な光のないところで、どれだけ(細かいところまで)撮影できるか、など)によるところが大きく、技術の発展に伴って発展してきたという面はあります。が、しかし、戦前に自然写真がなかったわけではありません。
例えば、山岳写真については、東京都写真美術館で開催された「山を愛する写真家たち 日本山岳写真の系譜」(1999年)では、明治以来の系譜が紹介されており、
http://topmuseum.jp/contents/details/i_1999_2000/1999_008_b.pdf
2014年の「黒部と槍」では、冠松次郎と穂苅三寿雄という、戦前の巨匠二人が紹介されています。
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2145.html
他方、以前ご紹介しましたが、日本写真史(上)(鳥原学・中公新書)では、博物学・植物学の観点から、武田久吉と下村兼史が取り上げられています。(なお、この二人については、「自然写真50年史」でも「前史」ということで簡単に触れられています。)
さらに、自然を撮影した風景写真がピクトリアリスムと極めて親和性が高く、様々な作品が残されていることも周知のとおりです。
ということで、ぜひ、日本の戦前を(そして無理を承知で申し上げるならば海外の戦前も含めて)対象とした、本格的な「自然写真史」の書籍の刊行や展覧会企画をお願いしたいところです。
どうぞよろしくお願いいたします。