>>1815
デ・キリコの「ヘクトールとアンドロマケー」の調査については、たいへん恥ずかしながら頓挫しており、ここで結果をご報告できる見通しがたっていません。
ところで、No.1809でご紹介したカタログ・レゾネの編者名ですが、「サクライシク」という言葉をグーグル検索すると、大変困ったことに、このブログと「ニコニコ大百科」の「50音順単語記事一覧」しかヒットしません。こんなことでいいのでしょうか? どこの誰だかわけのわからない人物ではなく、かのデ・キリコのカタログ・レゾネの編者なんですが??? ネット上には情報があふれているようでいて、いかに限られた情報しか掲載されていないか、逆に言うと、ネット上で見つからない情報がいかにたくさん存在するか、ということで、インターネットを過信してはいけないな、ということだと思います。
なお、「クラウディオ・ブルーニ・サクライシク」というカタカナ表記は、美術出版社『現代美術の巨匠 デ・キリコ』(ペル・ジムフェレール著、佐和瑛子・訳、1994年)の表記(p21)を採用しています。
>>1323
次の本がつい最近刊行されました。
写真の物語──イメージ・メイキングの400年史
打林 俊
森話社
2019/7/6
3456円
488ページ
No.1247, No.1248, No.1323でご紹介した『絵画に焦がれた写真』の作者のかたの本です。
久々の本格的な写真史の本といえそうです。
実物を早く見たいものです。
目次は以下のとおり。
【目次】
プロローグ 写真史を学ぶ意義──写真について考えてみる
[I]
第1章 焦点を結ぶ欲望
第2章 目隠しの接戦──写真の発明まで
第3章 視覚革命──初期写真と社会のかかわり
第4章 初期写真の技法史
第5章 表現の広がり──ウェット・コロジオン・プロセスによる記録とドライ・プレートの登場
column 錬金術と空想科学から見る写真
[II]
第6章 芸術の息吹──写真と美術の最初の接触
第7章 「写真らしさ」と芸術──ピーター・ヘンリー・エマーソンとピクトリアリズムの成立
第8章 ピクトリアリズムの展開──一八九〇年代から一九二〇年代
第9章 さまざまな印画技法と小型カメラの登場
column 写真としての美術──絵画複製写真の世界
[III]
第10章 モダニズム写真へ──鮮明なイメージへの回帰
第11章 出版文化から見るアメリカのモダニズム写真
第12章 カラー写真小史
column ヴァナキュラー写真の分界──家族写真をめぐって
エピローグ
戦前写真史年譜
あとがき
人名・団体名索引
インターネット上の検索の不便性については、以前からいろいろ書いていますが、図書館の横断検索についてさえ、かなり不便な状態です。
ここで想定しているのは、タイトルがはっきりわかっている書籍ですが(和洋の「美術書」に限定して考えます)、それでさえ、見つけるのが難しいことがある、というお話しです。
通常は、当方の場合、だいたい次のような順番で進みます。自分の住んでいる市区町村の公立図書館、自分の住んでいる都道府県の公立図書館、自分の住んでいる都道府県等の横断検索、NDLサーチ(国立国会図書館)、ALC(美術館図書館横断検索)、CiNii(大学図書館の横断検索)、カーリルなど。
でも、これ以上は、個別に知っている図書館・図書室の独立した検索エンジンを1つ1つつぶしていかねばならないことになります。
カーリルでさえ、「全国」ではなく、「都道府県別」になるので、47回検索が必要になります。
こんなに面倒なことを、いつまで続けなければならないのでしょうか?
アマゾンで本を探していてたまたま見つけたのですが、Kindle版で、戦前の日本の写真集が298円くらいで安く販売されています。かなりの点数があり、しかも国立国会図書館蔵書の印鑑があったりします。
少し調べてみると、どうやら、2014年から、国立国会図書館が著作権が切れている本(写真集に限らず)をKindleに出している、ということのようです。
恥ずかしながら、今まで知りませんでした。
いずれにしても、いいことです。もっともっと点数を増やしていただきたいものです。
ブログの対象時期とずれてはおりますが、大変特徴のある書籍ですので、あえてご紹介します。
次の本が刊行されています。
幕末明治の写真師の軌跡 : 日本各地で活躍した幕末明治の写真師を962名収録
浜畠 太 著
ごきげんビジネス出版
大きさ、容量等:304p ; 30cm
ISBN:9784909745163
出版年月日:2018/9/18
306ページ
10800円
Amazonによると「オンデマンド」だそうです。
まず困る点は、刊行からすでに9か月にもなるのに、まだ、公立図書館ではほとんど見つからない、とうことです。何と国立国会図書館でも見つかりません。「CiNii Books」でも、「検索結果: 0件 該当する書誌は見つかりませんでした。」という悲惨な結果です。
「オンデマンド」という点がいけないのでしょうか?
一般の公立図書館については、価格の問題でしょうか?
仮に所蔵されても、「参考図書」で「禁帯」でしょうが・・・。
今のところ、「蔵書あり」がわかったのは、次の2機関のみです。
長崎大学
山口県立山口図書館
「長崎」というのは、場所柄からわかりますが、「山口」というのは、何なんでしょうね?
「962人」というのは、普通に考えれば、個人でまとめることのできる量ではないと思います。どういう経緯でこんな書籍の刊行が実現できたのでしょうか?
早く実物を確認したいとことです。
しかし、「オンデマンド」なので、書店でも確認できないという不便さ。
東京都写真美術館の図書室に期待するしかないのでしょうか?