次の本が最近刊行されました。
舞台の面影──演劇写真と役者・写真師
村島彩加
森話社
2022/5/31
¥4,950
著者のご専門は、むしろ演劇なのですが、それにしても、予想外の切り込み方で驚きます。本当に、当方の想像力の貧困さを実感します。
時期的には、昭和初期まで降りてきているのですが、サブタイトルにある「写真師」という言葉が気になります。近代的な演劇写真まで射程に入っているだろうか、実物を拝見して確認するしかないですね。なお、最後の章に出てくる「安部豊」とは、演劇評論家のかたです。
新進気鋭の研究者の今後に期待です。
最後に目次を掲載。
【目次】
第一章 演劇写真の始まり──演劇写真の先駆者・内田九一とその周辺
第二章 役者絵と演劇写真──『魁写真鏡俳優画』と内田九一
第三章 散切物と写真──『勧善懲悪孝子誉』に見る北庭筑波像
第四章 写真版権と演劇写真──塙芳野と九代目市川團十郎
第五章 上演と写真──森山写真館と五代目尾上菊五郎
第六章 演劇写真と絵画──影絵・石版画・油絵
第七章 鹿島清兵衛と『歌舞伎新報』
第八章 絵葉書と素人写真師
第九章 『演芸画報』誕生──印刷技術の発達とグラフィック雑誌
第一〇章 回顧とアーカイヴ──「劇に関する展覧会」と演劇図書館の試み
第一一章 七代目松本幸四郎の「変相」と写真
第一二章 五代目中村歌右衛門の「狂気」の演技と写真
第一三章 死絵と写真集──安部豊の仕事