まず、美術図書館横断検索(ALC Search)ですと、全滅です。
なお、ALCの加盟館は、以下の13館です。以前は6館だった記憶があるので、ずいぶん増えましたね。
加盟館Member Libraries
1. 神奈川県立近代美術館美術図書室
2. 国立工芸館工芸館アートライブラリ
3. 国立国際美術館
4. 国立新美術館アートライブラリー
5. 国立西洋美術館研究資料センター
6. 東京国立近代美術館アートライブラリ
7. 東京国立博物館資料館
8. 東京都江戸東京博物館図書室
9. 東京都現代美術館美術図書室
10. 東京都写真美術館図書室
11. 東京都美術館美術情報室
12. 横浜美術館美術情報センター
13. 吉野石膏美術振興財団アートライブラリー
続いて、「国立国会図書館サーチ」で調べると、以下のような結果が出てきます。
国立国会図書館 (12件)
大阪府立中央図書館 (12件)
横浜市立図書館 (12件)
県立長野図書館 (12件)
青森県立図書館 (12件)
最後に、CiNiiですと、次の通り。
愛知淑徳大学 図書館
神戸大学 附属図書館 人文科学図書館
国際日本文化研究センター
東京女子大学 図書館
明治学院大学 図書館 横図
龍谷大学 瀬田図書館 図
そもそも、ALCが全滅という事態が非常に情けないと思います。東京都写真美術館か東京国立近代美術館のいずれかが所蔵してしかるべきでしょう。同じ都内の国立国会図書館に所蔵されているからということで、油断しているのでしょうか?
また、公立図書館で所蔵しているところがあるというのは驚きですが、なぜこのような偏りがあるのでしょうか? 個々の図書館がそれぞれ勝手に判断して購入しているということでしょうか? そんな馬鹿なことはありません。個人的には、全47都道府県立図書館は所蔵しておくべきだと考えますが、それが無理ならば、各地方(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)ごとに1館は所蔵すべきです(やや、そういった考慮もすでに見えるようですが)。そういったバランス・配分・役割分担は、全国の図書館全体としてなされるべきで、各館の判断のみに任せるべきではありません。各館に任せてしまうと、統一性を欠いて、結局利用者の負担になるだけだからです。さらに、所蔵している館は、積極的に「相貸」をするべきです。なお、横浜市立図書館が所蔵しているのであれば、横浜市美美術情報センターが所蔵していなくても仕方がないでしょう。
さらに、大学図書館も、傾向の見えない顔ぶれですね。CiNiiの検索対象の大学が狭いのかもしれないのですが、もっと多くの大学図書館が所蔵していてしかるべきです。
いずれにしても、書籍等の資料が、少し特殊であったり、高価であったりすると、途端に参照することが非常に困難になる、というこのおそるべき惨状は、もう少し何とかならないものでしょうか?
最後に、この本は、国立国会図書館の「オンライン閲覧」はできません。なぜなら、最近刊行された書籍だからでしょう。しかし、それはおかしくないでしょうか? 復刻している雑誌自体は戦前のものなのに。もちろん、オンラインで自由に見ることができてしまうと、誰もこの書籍を購入してくれなくなるのではないかという事情はよく分かります。しかし、もしも、47都道府県立図書館が所蔵し、相貸をしてくれるのであれば、逆にオンラインは不要です。現在の状態は。近くの公立図書館では見ることができない、オンラインでも見ることができない、したがって、結局、きわめて高価であるにもかかわらず自分で購入するか、新型コロナという状況下でも最も感染者数の多い都道府県・東京にある国立国会図書館(厳密には上記のとおり、他の少数の図書館も選択肢にありますが)まで足を運びなさい、という状態なのです。それは、この資料を参照することを諦めなさい、ということと同じかと思います。このデジタル化の社会の中、この不便さはどうにもならないことなのでしょうか? 例えば、今回のような貴重だが入手しにくい特定の書籍・刊行物について、著作権者に十分な手当てをしたうえで、オンライン公開を実施するなどの特別措置などは検討できないものでしょうか?
どうか、切によろしくお願いいたします。