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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

日本の絵本100年100人100冊(2028)

少し前ですが、次の本が、昨年2021年の末に刊行されています。

 

日本の絵本100100100

Japanese Picturebooks: 100 Years, 100 Illustrators, 100 Books

広松由希子

玉川大学出版部

2021

7700

 

装丁:中浜小織(annes studio

協力:三嶽一(Felix

編集・制作:株式会社 本作り空Solahttps://solabook.com

 

日本の絵本の歴史100年を、100100冊の絵本で紹介する本。見開き2ページで1冊という、とても見やすい本です。それぞれの絵本について、作者、出版社等の情報も掲載されており、英語表記もあり、基礎的な資料として十分なつくりとなっています。

絵本は、画家、デザイナー、そしてイラストレーターがクロスオーバーする、ある意味、ルールもほとんどないような、自由で不思議な世界。また、原作者というか、「おはなし」を作っている人が別にいる場合も多いという、非常に複合的な世界です。

この本は、見ているだけでも楽しめますし、「ああ、この絵本昔見たことがある」という自分の記憶や体験とも重ね合わせることもできます。

 

目次がネット上にあるかと探してみましたが最初の部分しか発見できませんでした。これくらい、出版社がデータを持っているはずですから、全部掲載していただければいいのにと思います。足りない部分を補って、以下、1950年まで掲載いたします。

1950年で区切らなければならない理由が、絵本の場合、より乏しいように感じますが、全部を入力するほどは元気がありません。)

 

1.1912 杉浦非水『アヒルトニワトリ』 小さな宝石箱

2.1913 岡野栄『おひなさま』 手工と絵ばなし

3.1923 竹久夢二『どんたく繪本1』 夢見る文字なし絵本

4.1925-28 村山知義『3びきのこぐまさん』 時代を超えるモダン

5.1927 武井武雄『おもちゃ箱』 おもちゃ王国の隆盛

6.1929 深沢紅子『ヨイコチャンノニッキ』 ハイセンスな児童画

7.1930 川上四郎『オトギカハリヱ ソンゴクウ』 三拍子のアニメーション

8.1934 谷中安規『王様の背中』 夢と奇想の版画

9.1937 夏川八郎(柳瀬正夢)『米』 輸入と創造

101937 初山滋『たべるトンちゃん』 線と戯れて

111941 恩地孝四郎『マメノコブタイ』 戦意とギャップ

121942 小山内龍『山カラキタクマサン』 素朴と憂い

131946 黒崎義介『トケイノハナシ』 安心を伝える仙花紙絵本

141948 茂田井武『あたらしい船』 万物が生きている

151950 由良玲吉『中を見よう』 現代絵本の夜明け

(中略)

絵本年譜(1870-2020

索引

参考文献

 

参考文献を見ていましたら、『こどもの本・1920年代展』(1991年)が掲載されていて、懐かしく感じました。

2020年代の視点から、戦前の部分をもっと深彫りするような著作もお願いしたいところです。

 

なお、最後に、絵本というものは、よくご存じの方も多い思いますが、視覚的な要素とともに、その背景にある「教育思想」が重要であり、実は、その教育思想に尽きてしまう可能性すらあるという点に言及しておかねばなりません。しかし、ここでは、当方の力不足もあり、その点についてはこれ以上立ち入らないこととといたします。「教育思想とデザイン」、何と深く広大な世界であることか。

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Akihoshi Yokoran
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