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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

近代中国美術の辺界(2035)

少し前ですが、次の本が刊行されています。目次も併せてご紹介いたします。

 

アジア遊学269

近代中国美術の辺界

越境する作品、交錯する藝術家

瀧本弘之・戦暁梅 編

勉誠出版

ISBN     978-4-585-32515-4

刊行年月              20225        

判型・製本           A5判・並製 372 

定価:3,850(本体 3,500)

https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=101292

 

目次

 

序説 「近代中国美術の辺界」への随想 瀧本弘之

 

Ⅰ 美術をめぐって、美術を超えて

「西湖藝展」開催の経緯―「斎藤佳三資料」を手がかりに 吉田千鶴子

上海租界のフランス語新聞にみる近代中国美術―林風眠と杭州国立藝術院を中心に 趙怡

一九三〇年代の北平画壇のグリンプス 瀧本弘之

長尾雨山の近代日中美術交流における貢献 松村茂樹

魯迅とケーテ・コルヴィッツ―日本プロレタリア美術運動との関わりを中心に

 東家 友子

太平洋の対岸へ発信された「辺区像」―中国共産党の海外宣伝事業に使われた「延安木版画」を解析する 陳琦

戯劇改良運動初期の石版戯曲年画「二十四世紀新茶花」について 三山陵

京劇俳優梅蘭芳と日本美術界の交流について 佐々木幹

 

Ⅱ 日本に行く画家、中国に行く画家

徐悲鴻と文展作品―そこから得たもの 華天雪 (翻訳:林佳美/翻訳協力:李趙雪)

[コラム]嶺南画派と日本 李趙雪

広東から来た前衛画家―一九三〇年代の東京における李仲生の画業について 呉孟晋

[コラム]近代中国における「裸体画論争」―日本との比較を視野に入れて 龔珏

朝鮮近現代美術史を歩んだ洋画家・鄭温女―ある女子美術専門学校卒業生の生涯 畑山康幸 

[コラム]顕現と隠蔽―従軍画家の描いた戦時中の中国 劉建輝

 

Ⅲ 中国美術品の収蔵、中国美術史の記述

チェコのコレクターと近代中国絵画 オリボバ・ルツィエ(翻訳:東家友子)

近代書画碑帖収蔵史について 下田章平 

廉泉「小萬柳堂書画コレクション」の初来日再考―『南湖東遊日記』を主な手掛かりに 戦暁梅

外国人宣教師の目線でつくられた土山湾孤児院の黄楊人形―天理参考館所蔵資料を例にして 中尾徳仁

[コラム]「徐家匯板聖徒像」の発見 瀧本弘之

書を編み込んだ中国美術通史 菅野智明

[コラム]ベトナム絵画の「父」と「兄」―画家ナム・ソンの美術論 二村淳子

 

あとがき 戦暁梅

年号対照表

 

いやいや、こんな本があったのかというような、すごいテーマの本ですね。勉誠出版というのは、恐ろしい出版社です。

ただ、もっとすごいことは、以前に、同出版社からほぼ同じテーマで、すでに2冊の本が刊行されていることです。以下のとおりです。今回はじめて気づいたという当方も相当にぬかっていたのですが。

ただ、残念なことにといいますか、予想されていたとおりにといいますか、「絵画作品」が主体であって、「写真作品」については、触れている論文はないようです。今後に期待いたします。そして、実際に期待できると思います。

また、実物を見ることができた今回の書籍、また目次だけしか見ることのできていない過去の2冊から判断して、どうも、ほとんどの論文は「各論」で、なかなか素人には入り込みにくい内容になっているのではないかと思います。中華民国期(20世紀前半)の美術の状況の概要を、年表やグループの系統図も使って網羅的に紹介していただくような、全体像がわかる論文が欲しいところです。その論文において、すでに収録されている各論分の全体の中での位置づけも見えてきて、わかりやすくなるのではないかと愚考いたします。

 

アジア遊学168

近代中国美術の胎動

瀧本弘之・戦暁梅 編

勉誠出版

ISBN     978-4-585-22634-5

刊行年月              201311      

判型・製本           A5判・並製 248 

定価:2,640(本体 2,400) 

https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=&products_id=100279

 

目次

 

序 論 瀧本弘之

 

①伝統絵画の革新

北京画壇の周辺 戦暁梅

〈コラム〉中国初の国家博物館―古物陳列所 戦暁梅

呉昌碩が日本にもたらしたもの 松村茂樹

〈コラム〉碑学の発展と金石書画の興起 松村茂樹

呉友如―清末から民国へ 三山陵

〈コラム〉カタイ幻想を西洋に伝達した「外銷画」 瀧本弘之

〈コラム〉土山湾画館 東家友子

〈コラム〉周湘―未解明の早期美術教育家 東家友子

民国期の伝統版画に就いて 瀧本弘之

〈コラム〉月份牌 三山陵

 

②新興藝術の動向

前衛絵画の「代理戦争」 呉孟晋

〈コラム〉決瀾社の画家たち 呉孟晋

魯迅とドイツ版画 東家友子

〈コラム〉魯迅と美術 奈良和夫

〈コラム〉木刻青年たち 瀧本弘之

 

③国際化と交流の流れ

斎藤佳三と林風眠 吉田千鶴子

陳抱一と日本 劉建輝

〈コラム〉競い合う徐悲鴻と劉海粟 瀧本弘之

傅抱石と日本 前田環

〈コラム〉民国期全国美術展の開催 瀧本弘之


(つづく) 

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