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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

ヒルマ・アフ・クリント展について若干(2164)

No.2149でご紹介した「ヒルマ・アフ・クリント展」が既に開始しております。

美術手帖で特集が組まれ(美術手帖では、昨年も一昨年も、しばらく展覧会企画に因んだ特集は存在しなかったのでは?)、芸術新潮でも特集が組まれていて、知名度の割に注目が集まっているようです。

展覧会には、当方も足を運びたいと思っておりますが、さて実現できるかどうか。

 

この企画に関して、特に関心があるのは、美術史の観点から見て、抽象絵画の系譜の中において、ヒルマ・アフ・クリントをどのように位置づけるのか、という点です。カンディンスキーは表現主義から、モンドリアンはキュビスムから、そして、これら2人とヒルマ・アフ・クリントは系統が異なるということなりそうですが、そうだとすれば、ヒルマ・アフ・クリントは「抽象絵画の第3の道」と評価できるのか? 例えば、アメリカのアーサー・ダヴとの位置関係もどうなるのか? これらの点について、この企画またはこの企画に関連して発表される文献により解き明かしていただければ、と思っております。

 

「先駆的」や「カンディンスキーよりも早い」という点ばかりが注目されているるような気がしますが、そればかりではなく、アフ・クリントには、抽象絵画の歴史、ひいては近代絵画史を見直す契機が潜んでいるのではないか、と思うのです。特に、「先駆的な抽象絵画」は、他にもあるのではないか、という気がしています。他の作家の作品についても、それを単なる模様や文様と分かつ役割を果たす「抽象への強固な意思」を発見することができるのではないか。そして、それを発見できていない今までの状況については、実は美術史側の問題が存在するのではないか。

アフ・クリントの作品・成立の経緯・その思想などを調べることは、様々な問題提起の可能性をはらんでいるのではないかと思っています。

 

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Akihoshi Yokoran
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