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開催してほしい展覧会(20世紀前半篇)

男性のいない美術史(2197)

次の本が刊行されています。

 

男性のいない美術史―女性芸術家たちが描くもうひとつの物語(THE STORY OF ART WITHOUT MEN)

著者:ケイティ・ヘッセル,〈Katy Hessel

翻訳:鮫島 圭代

パイインターナショナル

2025/09発売

価格 ¥7,480(本体¥6,800

 

かなり聞いたことのない名前(作家名)が含まれています。

 

1900年~1950年のすべての図版の作者の名前を記載にしたかったのですが、量的に無理なので、写真作品図版に限って、撮影者として付されている名前を掲げます。

 

クロード・カアン

ハンナ・ヘッヒ

ゲルトルート・アルント

ドラ・マール

リー・ミラー

ティナ・モドッティ

ドロシア・ラング

 

この範囲では、それほどめずらしい名前が挙がっているわけではありません。

 

この本の大きな問題としては、美術家の名前の欧文つづりがないことです。

以前も同じことを書いていることがありますが、「翻訳もの」なのだから、欧文つづりは、間違いなく「もともとそこにあった」はずです。それを残しさえすれば終わりだったのですが、欧文つづりがないと、それを見つけ出すのは、ケースバイケースではありますが、なかなか厄介です。特に、あまり著名でない作家については。

例えば、巻末の「索引」だけでも、欧文つづりを残す、という発想がなかったのでしょうか?

ただ、同様に巻末に掲載されている「挿絵一覧と写真の謝辞」が、原著の原文そのままのようですので、もしかすると、これで作家名のつづりの大部分をカバーできるかもしれません。

 

さて、最後に、中身から、1点だけ重要な内容を。

160ページ以降に、「レディメイド」について、マルセル・デュシャンより先んじていたかもしれない、さらには、デュシャンの「泉」の真の作者かもしれない、として、バロネス・エルザ・フォン・フライターク=ローリングホーフェン(Elsa Baroness von Freytag-Loringhoven18741927)という作家が挙げられています。

この点はすでに有名なことなのかもしれませんが、当方はここで初めて知りました。

 

最後に目次を掲げておきます。

 

目次

 

訳者まえがき

はじめに

 

第1部 道を切り拓く 1500年頃‐1900年頃

1章―芸術のカノン(正典)を彩る女性たちの自画像

2章―栄光に満ちた芸術表現の時代

3章―写実主義から心霊主義へ

第2部 芸術を近代化させたものとは 1870年頃‐1950年頃

4章―戦争、アイデンティティ、パリの前衛芸術

5章―第一次世界大戦の余波

6章―アメリカ大陸におけるモダニズム

7章―戦争、新しい技法・メディアの台頭)

第3部 戦後の女性たち 1945年頃‐1970年頃

8章―素晴らしき実験精神の時代

9章―政治的変化と新たな抽象芸術

10章―身体

11章―新しい伝統を編む

第4部 自分で手綱を握る 1970年頃‐2000年頃

12章―フェミニズムの時代

13章―1980年代

14章―1990年代

15章―イギリスにおける急進的変革

第5部 「美術の物語」の執筆は今も続く 2000年‐現在

16章―史の語りにおける脱植民地化と、伝統の再構築

17章―21世紀における具象表現

18章―2020年代

 

用語集

年表

注釈と参考文献

挿絵一覧と写真の謝辞

謝辞

著者について

索引

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Akihoshi Yokoran
性別:
非公開

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