どうしても行くことができなかった展覧会企画を見たい、と思ったことのあるかたいませんか? 当方は、何度も思ったことがあります。
No.2019で「デジタル展覧会・バーチャル展覧会」を、No.2022で「デジタル展覧会カタログ」の提案をしたしましたが、その後日本で動きがあるようには思えません。
新型コロナもピークを越え、まだまだ油断はできないものの、リモートワークなどもどんどんとなくなり、「通勤ラッシュ」もまた起きているくらいですから、展覧会や展覧会カタログのデジタル化の動きなども、ブレーキがかかってしまっているとしても、やむを得ないかもしれません。
しかし、デジタル化は、なにも、「感染症対策」だけを理由としているのではありません。
冒頭に書いたような、「行くことができなかった(行くことができない)展覧会企画を見たい」という希望が叶うような手段を、世の中の状況にかかわらず、ぜひ実現していただきたいものです。しかも、できる限り早い時点で。
どうかよろしくお願いします。
前回は、突然、木下秀一郎関係の有名な写真図版を2件貼り付けましたが、「"木下秀一郎"」でネットの図版検索をしても1件ずつくらいしか発見できないので、あえてここでもあげてみました。
今後、どこかの時点で、検索によってこのブログがヒットするようになるでしょうか?
ダビッド・ブルリュック氏と木下秀一郎(Shuichiro KINOSHITA, Shu KINOSHITA)/1921年/絵はがき
(奇跡の「地方前衛」 福井近代美術1920~1945/土岡秀一/福井新聞社/2010年6月、より)
木下秀一郎(Shuichiro KINOSHITA, Shu KINOSHITA)/決行せるアナルヒストの心理的像/1925年/三科第2回展
(奇跡の「地方前衛」 福井近代美術1920~1945/土岡秀一/福井新聞社/2010年6月、より)
次の展覧会が開催予定です。
黄土水とその時代―台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校
東京藝術大学大学美術館
2024年9月6日(金) - 2024年10月20日(日)
午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
https://museum.geidai.ac.jp/exhibit/2024/09/Huang-Tu-Shui.html
台湾出身者初の東京美術学校留学生である彫刻家・黄土水(1895-1930)の作品10点(予定)・各種資料と彼が東京美術学校に入学した1915年から東京で病にて夭折した1930年までの時代の美術を紹介するという内容です。
これに加えて、陳澄波、顔水龍、李梅樹といった台湾出身の近代洋画家たち(当方は、恥ずかしながらまったく知りません)の作品約10点も紹介するということで、興味深い内容です。
また、今回の展示作品にも含まれている、1919年の黄土水の代表作「甘露水」という彫刻作品(写真の作品)は、戦後に台湾で行方不明となり60年後の2021年に発見されたという話で、このエピソードも非常に不思議です。
さて、以下、本企画に関するその他の基礎情報です。
休館日
月曜日
9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)
※ただし9月16日(月・祝)、9月23日(月・振休)、10月14日(月・祝)は開館
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3、4
観覧料
一 般: 900 円 (800円)
大学生: 450 円 (350円)
*高校生および18歳以下無料
*障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)
*( )内は前売り料金、前売券は7月17日(水)から9月5日(木)まで販売
主催:東京藝術大学、国立台湾美術館
助成
文化部、公益財団法人野村財団、公益財団法人朝日新聞文化財団、藝大フレンズ賛助金、黑潮計畫、台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
以上ですが、お時間あれば、ぜひ足をお運びください。