「個人向けデジタル化資料送信サービス」の開始について、No.2006でご紹介しましたが、最近登録が完了しましたので、自分のパソコンで「国立国会図書館デジタルコレクション」を検索したり、閲覧したりしています。
大変便利ではありますが、まだまだ物足りない。ぜひとももっと拡大を続けていただきたい。
方向性は次の3つがあると思います。
1.国立国会図書館の所蔵資料でデジタル化されていないものをデジタル化して「図書館・個人送信」可能とする、または、デジタル化はされているけれども「国立国会図書館内限定」の資料(例えば、なぜか戦前のアサヒカメラなど)を「図書館・個人送信」可能とする。
2,国立国会図書館の所蔵資料ではないもの、例えば、東京国立近代美術館アートライブラリ、東京都写真美術館図書室、JCIIライブラリー、各大学の図書館などに所蔵されている、国立国会図書館所蔵の範囲を超えた資料のデジタル化、「図書館。個人送信」化が必要です(一部は、すでに「他機関デジタル化資料」として収録されているようです)。戦前の資料であれば、すでに国立国会図書館所蔵資料ではデジタル公開をすることが可能になっているのですから、他館所蔵の同時期の資料であれば、ほとんど著作権法上の障害はないのではないかと思います。もし障害があるならば、法改正をして即時にその障害を取り除くべきです。また、それぞれの機関で、国立国会図書館から独立してデジタル化し、データベースを作成する必要は全くなく、むしろ、国立国会図書館のデジタル化の中に含めるべきです。要するに、各種外部機関から資料を国立国会図書館へと持ち込んでデジタル化し、「国立国会図書館デジタルコレクション」に含めてしまうのです。閲覧する側としても、各種の図書館・図書室ごとにデジタル資料のデータベースがあると不便でなりません。「国立国会図書館デジタルコレクション」ですべての資料を調べられる、そういう一元的なデータベースにすることが必須です。そういうことになった場合の便利さ、合理性は、国立国会図書館のデジタル化のご担当者が最もよくお分かりだと思います。
3.これでも足りない、という戦前の資料は、個人を頼るしかありません。例えば、雑誌で不足している号(あるいはもっと広く不足している時期)が必ずあるでしょう。その場合には、その点を関係者や関係機関のみならず、広く一般に告知し、個人から自主的に持ち込んでもらいデジタル化するのです。
さて、これで、戦前の日本の美術雑誌・写真雑誌・グラフ雑誌・建築雑誌・デザイン雑誌などは網羅できるでしょうか? 「国立国会図書館デジタルコレクション」に基づく「個人向けデジタル化資料送信サービス」だけで、すべて検索・閲覧できるようになるでしょうか? いやこれは「質問」するべきことではなく、目指すべことであり、否応なく、実現せねばならぬことです。しかも、かなり早い時期に。
どうぞよろしくお願いします。