20世紀前半の街並みの写真や鉄道写真というものがたくさん残されていますが、これらの作品を、新興写真や前衛写真の観点や視線から見ることは可能でしょうか?
そのような作品の写真史上の位置づけについては、当方の中では未だに明確な着地点を持つことができない状態です。
このような写真作品は、ほとんどの場合、単純に対象を撮影しただけですので、特殊な撮影方法や撮影後の現像・定着・焼付などにおいて特別な手法を用いている場合でなければ、新興写真や前衛写真ととらえることはむずかしいことが多いのではないかと思います。
ただ、ストレートフォトグラフィであっても、前衛写真になりうるので、一概に、街並み、鉄道の写真でも、「新興」性、「前衛」性が否定されるわけではありません。また特に、鉄道は、「モダニズム」を経由して、「新興写真」への親和性はかなりあります。街並みにおける「建築」も「モダニズム」に近い。
「新興写真と街並み・鉄道」といったような観点から、街並みの写真や鉄道写真を紹介していただけるような企画を期待したいと思います。
鉄道と美術の150年(2029)もご参照ください。