かなり大部の次の本が刊行予定です。
キュビスム芸術史―20世紀西洋美術と新しい〈現実〉
松井 裕美
単行本: 692ページ
出版社: 名古屋大学出版会 (2019/2/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4815809372
ISBN-13: 978-4815809379
発売日: 2019/2/28
¥ 7,344
目次を見るだけでも面白そうで。大変楽しみです。
目次
凡 例
序 章
第I部 幾何学による解剖・解体と「概念の現実」の誕生
第1章 キュビスムをめぐる言説 —— レアリスムとの関係からの考察
1 プロト・キュビスムから分析的キュビスムまで
2 幾何学をめぐる言説と「概念の現実」
3 キュビスム以前の「現実」への問い
第2章 現実の解剖、解体 —— 分析的キュビスムへの展開
1 美術解剖学における図式と抽象
2 ピカソと美術解剖学 —— 解剖学から「概念の現実」へ
3 ピュトー・グループにおける様式的展開
4 キュビスム作品における女性身体像
第I部結論
第II部 キュビスムの文法と詩学
第3章 芸術と詩的アナロジー —— 総合的キュビスムの文法
1 二次元と三次元の対話
2 形態的なアナロジーから詩的なアナロジーへ
3 「キュビスム文学」と挿絵本
第4章 機械の詩学 —— 身体のメカニズムの探求からメカニックな身体へ
1 レジェとグリスにおける生物と無生物のアナロジー
2 デュシャン兄弟、クプカ、ピカビアにおける身体表現
3 ヴォーティシズムにおける「現実」と機械のイメージ
第II部結論
第III部 キュビスムと第一次世界大戦
第5章 前衛と前線 —— 大戦の「現実」と視覚芸術
1 前線の風景と従軍画家たち
2 前線の身体とキュビスム
第6章 古典主義とナショナリズム —— 第一次世界大戦前後の芸術理論と実践
1 キュビスム理論におけるナショナリズムと第一次世界大戦
2 第一次世界大戦前後のピカソの古典主義
第III部結論
第IV部 新たなる「秩序」へ向けて
第7章 秩序への回帰 —— 大戦間期の美術史モデルとかたちの「生命」
1 キュビスムの歴史化と見出された「原理」
2 キュビスムの理論的な批判と普遍的な理論の追求
3 キュビスム以降の芸術における新たなる「現実」
第8章 キュビスムの形態学 —— 近代のユートピアと前衛芸術
1 キュビスム以降の芸術家たちと近代都市
2 ユートピアの創出、あるいはユートピアへの回帰
第IV部結論
第V部 第二次世界大戦前後の政治社会とキュビスム
第9章 大戦の影と文化的地勢図 —— 展示・論争におけるキュビスムの位置づけ
1 1930年代のフランスにおける現代美術史研究と美術展示
2 レアリスム論争の背景と展開
3 第二次世界大戦下のキュビスム
第10章 キュビスムの生と死 —— 戦後の社会とフランス文化の復興
1 フランス文化の再建
2 サロン・デ・レアリテ・ヌーヴェル
第V部結論
終 章
1 見ることと知ること —— 認識メカニズムの表現としてのキュビスム
2 理論と歴史 —— キュビスムと価値システムの構築
3 言葉とイメージ —— 諸現実の地層の再配置
ふと気づいたら、次の本が刊行されています。
Czech and Slovak Photo Publications 1918-1989 / Ceske a Slovenske Fotograficke Publikace 1918-1989
Manfred Heiting
Vojtech Lahoda
Amanda Maddox
Petr Roubal
James Steerman
ハードカバー: 513ページ
出版社: Steidl; Bilingual版
言語: 英語
ISBN-10: 3958294979
ISBN-13: 978-3958294974
発売日: 2019/1/22
¥ 13,817
「Steidl」(シュタイデル)社からの、「Photobook」本の第三弾(ソヴィエト・日本に続く)になりますね。
実物を早く見てみたいものです。
ただ、以前ご紹介しましたが、「The Japanese Photobook」のような問題もありうるので、期待と懸念との半ばにいます。
かなりのページ数があるので、紹介されている写真集の数には間違いなく期待でき、知らない写真家もたくさん知ることができると思いますが、対象期間が「1918-1989」と広いので、そのうちのどれだけが、このスレの対象である「20世紀前半」に該当するのか?
他方、東欧の場合、ほんとうに1945年で切り分けることが適切なのか、という疑問が以前からあります。
例えば、かなり昔にご紹介した(No.876, No.864, No.863)次の本(旧ユーゴスラビアを取り扱っている)などは、1945年以降が対象ですが、そのことだけで、このスレの対象外だと宣言する意味はないように思います。
写真とプロパガンダ1945‐1958
ミランカ トーディチ (Milanka Todi'c)
荒島 浩雅・翻訳
三元社
2009/7/1
¥ 3,240
東欧(旧東欧)の写真については、もっとしっかり学ぶ必要があるでしょう。そのためにも、文献を探し続けねばなりません。
最後に、シュタイデル社の同書の紹介ページを掲載しておきます。
https://steidl.de/Books/Czech-and-Slovak-Photo-Publications-1918-1989-3644455158.html
>>1796
見つかりました、西郷北濤の生没年。
鳥取県立図書館の「郷土人物検索」にて。
https://www.library.pref.tottori.jp/winj/opac/switch-local.do?idx=0
金居乙恵(かないおとえ、1885-1950)
もう1年前ですが、次の展覧会が開催されていました。
金沢美術工芸大学・北國銀行連携事業 第8回コーポレートアート展
写真的曖昧
2018年 2月3日[ 土 ]〜 3月4日[ 土 ]
10:00〜 18:00
会場:金沢アートグミ
水曜休館/入場料無料
参加作家:
石場文子 ISHIBA Ayako
木原結花 KIHARA Yuika
西郷北濤 SAIGO Hokuto
宮崎竜成 MIYAZAKI Ryusei
主催:金沢美術工芸大学、北國銀行
協力:認定NPO法人金沢アートグミ
企画:若山満大 WAKAYAMA Mitsuhiro
http://gallery.artgummi.com/?p=6873
(ただし、下のほうのURLのページは、残念ながらすでにアクセスできないようになっていました)
参加作家の4人のうち、西郷北濤(さいごうほくとう。本名:金居乙恵)が、戦前の鳥取県の芸術写真を代表するアマチュア写真家だということで、注目です。
1885年生まれと記載されていますが、没年の掲載はありません。まさか、本展開催時の2018年現在ご存命だったとも思えませんので(130歳超になってしまいます)、なぜ記載されていないのか不思議ですが、不明なのかとも思います。1905年没という情報もネット上にありましたが、その後の年号での活躍もあるようなので、間違った情報のようです。
どこかに詳細な経歴情報がないのかと探しましたが、見つかりませんでした。本当に情報不足ですね。
西郷北濤は、日外アソシエーツの「日本の写真家」(2005年、839人収録)にも含まれていません。また、今までは、グループ展でも取り上げられたことがなかったのではないでしょうか? 最近注目され始めたということでしょうか? いずれにしても、紹介されるべきなのに紹介されていない写真家の、いかに多く存在することか!
さて、企画の若山さんという方は、愛知県美術館の学芸員のようですが、現在もなおそうでしょうか? そうであれば、愛知県美術館での写真展企画を期待したいと思います。
上記企画の中で、次のレクチャーも開催なさったということもあり、期待は大変大きいのですが。
2.10 Sat 18:00-19:30
Lecture
「趣味と戦争の写真史: クロニクル・日本のアマチュア写真 1913 – 1945」
登壇者:若山満大 本展キュレーター
参加費:1,000円
大正から昭和にかけて、市井の写真文化はどのように変化したのか。アマチュアの趣味から報国の 手段へ。写真の変位にまつわる社会史をご紹介します。
それにしても、石川県で、愛知県の学芸員が、鳥取県の写真家を取り上げるという、この「ねじれ」、どういうものなのでしょうか?
端的に、会場が石川県なのですから、北陸の戦前の写真家(写真史)を取り上げていただきたかったところです。この地域を取り扱った企画は、今までに存在しなかったのではないかと思います。この点も、今後に強く期待します。
最後に、会場の「金沢アートグミ」については、次のページに詳しく書かれています。
https://www.chilchinbito-hiroba.jp/CategoryDetail.php?p=1&pref=17&cl=5&cic=17_05_0002
金沢の文化芸術を下支えするべく、2009年、北國銀行武蔵ヶ辻支店3階にオープンしたギャラリーで、NPO法人が企画・運営を行っている、とのこと。
■第2章 写真表現編
071 手の表情/072 花/073 ジャンプする人/074 機械の目と新しい写真/ 075 光と影/076 食事の風景/077 鉄道/078 飛行機/079 雪/ 080 都市のスナップ/081 子供/082 日常/083 犬/084 猫/085 窓際/ 086 公園/087 海/088 雲/089 建築/090 夕暮れ/091 夜のスナップ/ 092 夜の風景/093 紅葉/094 出産/095 女性のポートレート/ 096 男性のポートレート/097 ライブ/098 旅/099 観光写真と風景写真/ 100 作品制作と商業写真/101 技術習得のための模倣/102 瞬間/ 103 気配と獲物/104 自動記述/105 化石/106 痕跡/107 時間/ 108 鏡と窓/109 路地/110 新宿/111 偶然性/112 水上/113 人工風景/ 114 カーテン/115 祖父/116 肖像/117 デッドパン/ 118 セルフ・ポートレート/119 樹海/120 雨/121 映り込み/ 122 多重露光/123 組写真
「写真史から学ぶ」というサブタイトルのとおり、特に、「第1章 写真史編」が面白そうですね。
なお、作者は写真史家や研究者ではなく、写真家です。