以前にご紹介した「前衛誌 日本編」ですが、少しですが実物を見ることができました。
これだけの素晴らしい本に対して(しかも、これだけの質・量を一人で執筆しておられる)、何かを書くのは、極めてきためらわれますが、以下、1点だけ書いてみます。
写真についてまとまった記事があればよかったのだが、と思いました。「巻弐[図]」のほうにも、堀野正雄の『終点』という写真集が掲載されていたり、写真雑誌もフォトタイムス、光画、FRONTなど多数掲載されていますが、「巻壱[文]」のほうには、特にまとまった写真についての解説がありません。部分部分で、関係する写真家に触れられている、という程度です。
巻末の人名索引を見てみると、堀野、淵上の掲載が多く、福原、中山がほんの少し、逆にないのは、野島、名取、小石、高山など。物足りないですね。写真に関連して取り上げるべき項目はいろいろとあったはずで、もう少し多くの写真家も取り上げ、「未来派・ダダ・構成主義」と関連付けて、まとまった時代紹介・状況紹介を書くことは可能だったはずです。
(ちなみに、「事項索引」がないのは不便だと思いました。)
最後に、西野さんに期待するのは筋違いかもしれませんが、シュルレアリスムに関しても、同様のタイプの本を作っていただけないかと思います。
いろいろとまとまりなく書きましたが、よろしくお願いします。