昨年ですが、次の本が刊行されています。
Surrealism and Photography in1930s Japan: The Imppssible Avant-Garde
Jelena Stojkovic
Rutledge
2020
ISBN: 1000185715, 978100085713
ややこしいのですが、出版社については、3つの情報があります。上記以外の他の2つは、Bloosmbury Visual Arts(CiNii掲載の2種のうちの1つ、9781788314053)とAva Pub Sa(紀伊國屋書店、9781788314053)です。この2つはISBNが同じだから、同じ出版社なのかもしれません。
まず、このような本が海外で出版される、という点が驚きです。情報収集も含め、研究は、かなり苦労なさったのではないでしょうか。それとも、長らく日本に滞在しておられていたのか? それにしても、日本人でもここまでまとめることはなかなかできますまい。
さて、希望としては、日本語訳して出版してほしい、と思います。えっ、英語を頑張って読めばいい? いやいや、問題はそこではありません。以前から何度も書いていますが、英語の書籍ですと、公立図書館で所蔵してくれないという問題があるからです。しかも、15000円程度とかなり高価な点も、公立図書館にさけられてしまう理由になります。
以下、若干情報を掲載します。
まず、紀伊國屋書店のページに掲載されていた目次は以下のとおりです。
Table of Contents
List of Illustrations vii
Acknowledgements x
Note on the Use of Japanese Language xii
Introduction 1 (10)
PART ONE `NEW PHOTOGRAPHY (shinko shashin) 11 (52)
1 Emergence 13 (24)
Artistic intentions 16 (5)
Beyond reality 21 (4)
Abandoning control 25 (4)
Professionals and amateurs 29 (8)
2 Photo-collages 37 (26)
Two-way mirrors 38 (8)
Constellation 46 (4)
Fragmentation 50 (4)
Overlaying, staging, re-photographing 54 (9)
PART TWO `AVANT-GARDE' PHOTOGRAPHY (zen'ei 63 (52)
shashin)
3 Images without texts 65 (27)
Criticism 67 (4)
Repetition 71 (9)
Representation 80 (9)
Printed matter 89 (3)
4 Coded revolution 92 (23)
Photographs of objects 96 (4)
`Camera's automatism' 100(7)
`Neo-Surrealism 107(8)
Part Three `PLASTIC PHOTOGRAPHY (zokei 115(52)
shashin)
5 Materiality 117(23)
Abstraction 120(3)
Paranoia-criticism 123(2)
Scale and perspective 125(9)
Photographic technology 134(6)
6 Locality 140(27)
Exchange 141(10)
Traditional aesthetics 151(4)
Everyday life 155(5)
Disconnection 160(7)
Conclusion 167(11)
Selected Biographies 178(6)
Selected Organizations 184(4)
Notes 188(40)
Bibliography 228(22)
Index 250
次の展覧会が開催予定です。
マン・レイと女性たち
Bunkamuraザ・ミュージアム
2021/7/13(火)~ 9/6(月)
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_manray.html
主催:Bunkamura、日本経済新聞社
協賛・協力等
[後援]在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
[企画協力]アートプランニング レイ
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
*プレスの方は以下へお問い合わせください。
「マン・レイと女性たち」広報事務局(株式会社OHANA内)
担当:妹尾、細川、高橋
Tel:03-6869-7881 Fax:03-6869-7801
E-mail:manray@ohanapr.co.jp
マン・レイは相変わらず人気があるようです。約150点の写真を中心に、絵画やオブジェなどを加えた200点以上の作品ということです。ただ、個人的には、もう、マン・レイは、いいかなという感じです。
しかし、「マン・レイ展」初めてのかたは、ぜひお出かけください。面白いはずです。
p055: c1930: ヴァルター・ミッテルホルツァー(Walter Mittelholzer)
・p056-p057: c1930: ヴァルター・ミッテルホルツァー(Walter Mittelholzer)
p058: 1931: 撮影者不明
p059: 1933: 撮影者不明
・p060: 1935: アルバート・W・スティーブンス(Albert W. Stevens)*
p060-p061: 1935: アルバート・W・スティーブンス(Albert W. Stevens)*
p062: c1935: エドガー・オア(Edgar Orr)
p063: c1940: 撮影者不明
・p063: c1940: 撮影者不明
p064: 『リルストラツィオーネ・イタリアーナ(L'Illustrazione Italiana)』1940年9月15日発行37号: 撮影者不明
p065: 1940: 撮影者不明
p066: c1942: 撮影者不明
p067: c1942: 撮影者不明
p068-p069: 1943: マーガレット・バーク=ホワイト(Margaret Bourke-White)
・p069: 1943: マーガレット・バーク=ホワイト(Margaret Bourke-White)
p070: 1944: 撮影者不明
p071: 1944: 撮影者不明
p072: 1944: 撮影者不明
p073: 1944: 撮影者不明
p074-p075: 1945: 撮影者不明
p076: 1945: W・ユージン・スミス(W. Eugene Smith)
p077: 1945: ウィリアム・ヴァンディヴァート(William Vandivert)
p078: 1945: フリッツ・ゴロー(Fritz Goro)
p079: 1945: 撮影者不明
・p080: 1945: 撮影者不明
p080-p081: 1945: ジョン・ヴァン・ハッセルト(John van Hasselt)
p082-p083: 1945年5月8日: 撮影者不明
p084: 1946: ウォーレス・カークランド(Wallace Kirkland)
p085: 1946: 撮影者不明
p086: 1946: エアロフィルムズ・リミテッド(クロード・グラハム=ホワイト&フランシス・ルイス・ウィルズ)(Aerofilms Ltd.)
p087: c1947:エアロフィルムズ・リミテッド(クロード・グラハム=ホワイト&フランシス・ルイス・ウィルズ)(Aerofilms Ltd.)
p088: 1947: 撮影者不明
・p089: 1947: 撮影者不明
p090-p091: 1949: 撮影者不明
p092: 1950: ウィリアム・A・ガーネット(William A. Garnett)
・p093: 1953: ウィリアム・A・ガーネット(William A. Garnett)
・p094: 1953: ウィリアム・A・ガーネット(William A. Garnett)
・p095: 1953: ウィリアム・A・ガーネット(William A. Garnett)
p096: 1950: エアロフィルムズ・リミテッド(クロード・グラハム=ホワイト&フランシス・ルイス・ウィルズ)(Aerofilms Ltd.)
・p097: c1950: フェアチャイルド・エアリアル・サーベイ社(Fairchild Aerial Surveys, Inc.)*
*を付したのは、本書にはつづりの記載がなく、自分で調べたつづりですので、誤りがあるかもしれません。ご容赦ください。
また、行の最初に「・」をつけて、1文字ずれているのは、メインの写真作品ではなく、参考作品的位置づけの作品です。
リストは以上です。
上で少し書きました通り、この本の問題点は、写真家名の欧文綴りがないことです。巻末の「写真版権一覧」にはつづりがわかる記載がややありますが、完全ではありません。以前から、もともとの欧文つづりを掲載してほしい、という点はいろいろと書いてきましたが、特に、このような「翻訳書」では、もともと欧文つづりは記載されていたわけですから、それを残そうという気付きがあるかどうかの差なのですが、大変残念です。カタカナ表記から正確な欧文つづりにたどり着くことがかなり難しいということは、実際になさったことがある方なら、お気づきだと思います。
そして、さらに書きますと、「写真家名掲載」を超えて、そろそろ生没年も含めて、経歴を期待したいのですが(本書の場合、本文に書かれている場合も少しありますが)、まだ無理ですかね??
最後に、マーガレット・バーク=ホワイトの1943年のセルフ・ポートレイト(これから搭乗しようとしている(?)フライングフォートレス爆撃機のプロペラ部分をうしろに、小型カメラを持ち、戦闘服を着たセルフ・ポートレイト)が69ページに掲載されています。割と有名な写真作品なので、ご記憶のかたも多いのではないかと思いますが、撮影者として「マーガレット・バーク=ホワイト」と記載されています。しかし、自分が写っているのに本当にそうなのでしょうか? それとも、自分でカメラをセットして、誰かに指示をしてシャッターだけを押してもらった、ということで、自分のクレジットになっているのでしょうか? まさか、こんな昔に、しかも報道系写真家の人が、森村泰昌的な思想でセルフ・ポートレイトを取ったとは思えませんが…。
少し前ですが、次の本が刊行されています。
空中写真歴史図鑑(The Story of Aerial Photography)
大自然と人類文明の映像遺産
イーモン・マッケイブ(Eamonn McCabe)、ジェンマ・パドリー(Gemma Padley)・著
月谷 真紀(つきたに・まき)・翻訳
原書房
2020
5800円+税
空中から撮影された写真を編年的に掲載した写真集。撮影者不詳の作品が多いながらも、撮影者がきちんと掲載されています。ここ数年の、「写真家名掲載」の傾向が顕著に出ている写真集です。
空中写真そのものにはもともとあまり関心がないのですが、こういうテーマが絞られた写真集でしか見つけられない写真家名も多くあるので、こういう本は重要です。
逆に、「芸術としての写真」の分野の有名な写真家は、ほとんど出てきません。少なくとも、ほとんど報道写真系に絞られてしまいます。掲載されている20世紀前半の写真家の中で、もっとも有名なのは、エドワード・スタイケン、マーガレット・バーク=ホワイト、W・ユージン・スミスの3人ですかね。
とはいえ、空中写真は予想外に面白いので、この本をぜひ書店や図書館でご覧いただければと思います。
以下、巻頭の最初の時期から1950年までの作品の作者名を拾いました。
p010: c1858: ナダール(Nadar)
・p011: 1886: ナダール(Nadar)
・p011: 1865: ナダール(Nadar)
p012: 1860: ジェームズ・ウォレス・ブラック(James Wallace Black)*
p013: 1882: セシル・ヴィクター・シャドボルト(Cecil Victor Shadbolt)*
・p013: c1882: 撮影者不明
・p013: 1889: セシル・ヴィクター・シャドボルト(Cecil Victor Shadbolt)*
p014: 1889: アルチュール・バテュ(Arthur Batut)
・p015: 1889: アルチュール・バテュ(Arthur Batut)
・p015: 1889: 撮影者不明
p016: c1904: エティエンヌ・ヌルダン(Étienne Neurdein)
p017: 1906: ジョージ・R・ローレンス(George R. Lawrence)
・p018-p019: 1906: ジョージ・R・ローレンス(George R. Lawrence)
p020: 1906: フィリップ・ヘンリー・シャープ(Philip Henry Sharp)* 特に「Philip」のつづりがよくわかりません
p021: c1907: ユリウス・G・ノイブロンナー(Julius Gustav Neubronner)*
・p021: c1907: ユリウス・G・ノイブロンナー(Julius Gustav Neubronner)*
・p022-p023: c1907: ユリウス・G・ノイブロンナー(Julius Gustav Neubronner)*
p024: c1908: エドゥアルド・スペルテリーニ(Eduard Spelterini)*
p025: 1909: エドゥアルド・スペルテリーニ(Eduard Spelterini)*
・p026-p027: c1910: エドゥアルド・スペルテリーニ(Eduard Spelterini)*
・p028: 1910: 撮影者不明
・p028: 1909: 撮影者不明
p029: 1909: ジョン・ムーア=ブラバゾン(John Moore-Brabazon)*
p030: 1910: 撮影者不明
p031: c1911: N・E・ブラウン(N.E. Brown)
・p032: 1913: 撮影者不明
・p032: 1913: 撮影者不明
p033: 1913: ヘンリー・ウェルカム卿(Henry Wellcome)*
・p034-p035: 1913: ヘンリー・ウェルカム卿(Henry Wellcome)*
p036: 1915: 撮影者不明
p037: c1916: 撮影者不明
p038: 1916: 撮影者不明
・p039: 1916: 撮影者不明
p040-p041: 1917: フランク・ハーレー(Frank Hurley)*
p042: 1917: ウォールデン・ハモンド(Walden Hammond)*
・p043: 1917: 撮影者不明
・p043: 1917: 撮影者不明
p044: 1918: エドワード・スタイケン(Edward J. Steichen)
・p045: 1918: エドワード・スタイケン(Edward J. Steichen)
・p045: 1943: 撮影者不明
・p046: c1920: アルフレッド・バッカム(Alfred Buckham)*
p047: c1920: アルフレッド・バッカム(Alfred Buckham)*
・p048-p049: c1920: アルフレッド・バッカム(Alfred Buckham)*
p050: 1920: 撮影者不明
p051: 1921: エアロフィルムズ・リミテッド(クロード・グラハム=ホワイト&フランシス・ルイス・ウィルズ)(Aerofilms Ltd.)
p052: 1921: エアロフィルムズ・リミテッド(クロード・グラハム=ホワイト&フランシス・ルイス・ウィルズ)(Aerofilms Ltd.)
p053: c1922: 撮影者不明
次の展覧会が開催予定です。
生誕150年記念
モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて
2021.03.23(火)- 06.06(日)
SOMPO美術館
主催:SOMPO美術館、日本経済新聞社
協賛:損保ジャパン、野崎印刷紙業
後援:オランダ王国大使館
協力:KLMオランダ航空
企画協力:NTVヨーロッパ
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/mondrian/
・モンドリアン(1872-1944)生誕150年記念
・オランダのデン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品50点、国内外美術館所蔵のモンドリアン作品と関連作家作品約20点
・日本で23年ぶり
ということで期待できます。
デン・ハーグ美術館は、この新型コロナ下で、よくぞまとめた貸出をしてくれたものです。
ちなみに、23年前の展覧会は、以下のとおり。出品作品数は全75点だそうです。
(十分に確認できていないところがありますが、デン・ハーグ美術館とハーグ市立美術館は、同じ美術館と思われます。)
ハ-グ市立美術館所蔵 モンドリアン展
1998年1月15日~4月5日:長崎、パレス ハウステンボス美術館
1998年4月11日~5月24日:Bunkamura ザ・ミュージアム
いつも書いていることですが、ウエブサイトには、出品作品リストの掲載を、ぜひお願いします。
また、関東以外への巡回はどうなっているのか、これから決まるのでしょうか?
それにしても、この美術館の名称は、
東郷青児美術館→安田火災東郷青児美術館→損保ジャパン東郷青児美術館→東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
と変わってきており、現在の名称は2019年からのようですが、もともとの名前の通り、東郷青児の作品がその中核で、あとはゴッホの「ひまわり」と、かならずしも海外の20世紀美術を対象とする美術館ではなかったはずですが、モンドリアン展を開催するとは、美術館の性格が変わってきているということでしょうか。または、東京において20世紀美術を展示できる美術館が減ってきていることの現れということなのでしょうか。そのあたりも、気になるところです。
最後に、本展は「日時指定入場制」なので、ご訪問予定のかたはご注意ください。