2025年度の展覧会予定として、次の企画を発見しました。
特集 中山岩太
兵庫県立美術館
第1期:2025年4月24日(木)~7月13日(日)
第2期:2025年7月18日(金)~9月28日(日)
第3期:2025年10月3日(金)~12月14日(日)
久しぶりの中山岩太展です。おそらく、以下の企画以来でしょう。
>甦る中山岩太:モダニズムの光と影/東京都写真美術館/2008年12月13日(土)-2009年2月8日(日)
一昨年2023年開催の「安井仲治展」とは異なり、「特別展」ではなく「コレクション展」の位置づけですが、会期が3回に分かれているというのは、「コレクション展」のスペースでは、「全貌」を紹介するには足りな過ぎて、2回でも足りないということでしょう。
3回に分かれているということは全体として内容が充実しているということを意味するでしょうから、その点に関しては望ましいと思います。しかし、関西に住んでいればまだいいのですが、それ以外の地域に住んでいる場合には、3回とも訪問することはなかなか困難です。本来は、美術館として、常設展(コレクション展)に関してもこの程度の企画を1回で開催できる程度のスペースを持っていることが望ましいと思うのですが、関西を代表する美術館の1つである兵庫県立美術館ですら、それは難しい、ということが現実なのでしょう。
では、1回だけ訪問するとして、どの回にするのがいいのでしょう? もしも、時系列的に紹介するという内容であれば、最後の第3回が最も充実していると言えるかもしれません。時系列的とも限りませんので、今後の情報次第ですね。
コレクション展ですから、図録は制作されないのだと思います。数ページの(無料配布される)パンフレットのようなものは制作されるかもしれません。確か、1995年に同館で「コレクション展」として開催された「ハナヤ勘兵衛展」では、出品リストを含んだ、そういう資料が制作されていたと思います。
また、コレクション展ですから、関東など他の地方への巡回もないでしょう。残念です。
まだ詳細な情報が出てきておりませんので、今後の発信に期待いたします。
よろしくお願いいたします。
なお、ご担当の学芸員は、相良周作さん、または、小林公さんでしょうか?
ところで、中山岩太もいいのですが、小石清展はどうなのでしょうか? むしろ、中山岩太展以上に永らく開催されていないのは、小石清展です。ぜひ、企画・開催をお願いいたします。
兵庫県立美術館にお願いするしかないのでは、と思っています(いや、もう1つだけ大阪中之島美術館が可能性があるかも)。
よろしくお願いいたします。
そろそろ、2025年度の各美術館の企画の情報が出はじめる時期ですね。
大阪中之島美術館の2025年度の企画が公表されていました。
その中から2件ご紹介します。
【展覧会名】新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展
【会期】2025年10月4日(土)– 2026年1月4日(日)
【主催】大阪中之島美術館 ほか
【会場】大阪中之島美術館 5階展示室
女性と関わりの深いデザイン作品に焦点を当てる、ということのようですので、今までの「アール・デコ展」になかった特色がありそうで期待できます。
そしてもう1件。
【展覧会名】シュルレアリスム 拡大するイメージ 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ(仮称)
【会期】2025年12月13日(土)– 2026年3月8日(日)
【主催】大阪中之島美術館
【会場】大阪中之島美術館 4階展示室
こちらもデザインに重点があるようですが、面白そうです。
今後、詳細な情報がでてくることを待ちたいと思います。
巡回にも期待します。
いきなり、チラシに、(当方が大好きな)安井仲治の「斧と鎌」(1931年)が掲載されていて驚きました。
次の展覧会が、昨日始まりました。
BUTSUDORI
ブツドリ:モノをめぐる写真表現
滋賀県立美術館
2025年1月18日(土)~3月23日(日)
主催:滋賀県立美術館、京都新聞
特別協力:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
協力:東京国立近代美術館
助成:公益財団法人DNP文化振興財団
開館40周年記念ということです。所蔵品中心の企画ではないので、入場料は、一般で1200円もします。しかし、展示作品は200点以上ということですので、この入場料に見合う内容だと予想できます。「モノ」というテーマに絞られていますが、実際には、以下の出展作家のリストを見ればわかるように、写真表現約200年を追う「小写真史」的な内容になっています。他館に巡回してもいいような充実した内容であることが期待できます。
https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/6277/
https://www.shigamuseum.jp/events/9497/
出展作家は、以下のとおりです。
(50音順・敬称略)
石内都、入江泰吉、岩宮武二、植田正治、潮田登久子、大辻清司、小川一眞、小川晴暘、オノデラユキ、恩地孝四郎、金丸重嶺、川内倫子、木村専一、後藤敬一郎、今道子、堺時雄、坂田稔、坂本万七、塩谷定好、島霞谷、島村逢紅、下郷羊雄、鈴木崇、高田皆義、高山正隆、冨永民生、土門拳、永田一脩、中山岩太、名取洋之助、野島康三、福田勝治、藤井保、藤本四八、淵上白陽、ホンマタカシ、安井仲治、安村崇、山沢栄子、山本悍右、山本牧彦、横山松三郎、吉崎一人、渡辺淳
なお、本展の企画は、芦髙郁子さんです。
シンポジウムも開催され、光田ゆりさんも登場なさいます。
最後に、ウエブサイトには出品作品リストが出ていないようですが、今後公開されるということですので期待しています。
No.2142でMEMのParis Photo 2024の企画について書きましたが、その際に期待していたように「帰国展」のような企画が年明け早々から開催されています。
名古屋:前衛写真の系譜 1930〜50年代
坂田稔、後藤敬一郎、高田皆義、田島二男、服部義文、山本悍右
会期|2025年1月7日(土)-26日(日)
会場|MEM map
時間|13:00 – 19:00 [1月26日はトークイベントのため14:00〜17:00は通常観覧できません。]
定休|月曜日 (月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
電話|03-6459-3205
https://mem-inc.jp/2025/01/07/nagoya30-50/
(作品図版も4点掲載あり)
ウエブページに掲載されている4点の作品を見るだけで、おそるべき企画であることがわかります。
しかも、次のような対談も開催されます。
対談企画「沈黙か転向か-前衛の戦前/戦後」
日 時|1月26日(日)15:00〜
登壇者|竹葉丈(名古屋市美術館学芸員)、弘中智子(板橋区立美術館学芸員)
会 場|MEM
参加費|1200円
定員20名・要予約
※対談はライブ配信、およびアーカイブ動画の配信も行います。[配信期間 2025/1/27–2/28]
竹葉丈さんはご紹介するまでもありませんが、弘中智子さんは、写真というよりはむしろ前衛絵画系の研究者で、『さまよえる絵筆』(弘中智子・清水智世・編、みすず書房、2021年)や『『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本』(速水 豊/弘中 智子/清水 智世・編著、青幻舎、2024年)などの企画者・編者でもあります。
非常に期待できる内容です。当方の関心に沿ってあえてタイトルを書き直せば、「断絶か継承か-前衛の戦前/戦後」ですかね。
また、カタログ(冊子)も刊行しないだろうか、と期待しています。
ぜひよろしくお願いいたします。
(つづき)
過去の「5大ニュース」は以下の通りです。今回で21年目になりました。
2023年:2094(2024年1月7日)
2022年:2039(2023年1月1日)
2020年:1916(2021年1月3日)
2018年:1779・1780・1781(2018年12月31日)
2017年:1689~1692(2018年1月7日)
2016年:1549~1552(2017年1月2日)
2015年:1420~1423(2016年1月3日)
2014年:1219・1220(2015年1月4日)
2013年:Msg.1147 (2014/2/2)
2012年:Msg.1084(2013/1/6)
2011年:Msg.1027(2012/1/10)
2010年:Msg.957(2011/1/2)
2009年:Msg.892(2010/1/10)
2008年:Msg.821(2009/2/1)
2007年:Msg.744(2008/ 1/27)
2006年:Msg.650(2007/ 1/ 3)
2005年:Msg.580(2006/ 1/ 1)
2004年:493(2005年1月2日)(「その他」の最後の部分)